
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
同僚があなたの成功や出世を妬んでいないか
大口の顧客を獲得する、昇進する、あるいは売上目標を達成するなど、新たなマイルストーンを達成した時は、同僚が応援してくれていると思いたいものだ。しかし、現実は必ずしもそうとは限らない。成功を積み重ねるにつれ、同僚(かつては友人であった同僚でさえも)が、あなたに対して嫉妬や恨みを抱き始めていると感じるようになるかもしれない。
そうした気まずい状況は、誤解であるとか、時間が経てば消えてなくなることをたいていの人は期待する。しかし、残念ながら、あなたがキャリアの節目を重ねるほど、他人の妬みや恨みは大きくなるものだ。エグゼクティブコーチとして、また職場の問題に関する講演者として、筆者らは多くの成功したプロフェッショナルが、自分の鼻をへし折ろうとする同僚との関係に悩みを抱えているのを目にしてきた。本稿では、同僚があなたの成功に脅威を感じ始めていると感じた時、実践すべき5つのステップを紹介しよう。
1. 自分の思い込みかどうかを確認する
同僚が恨みを抱いている可能性もあるが、あなたが相手の発言を誤解したとか、相手に嫌なことがあった可能性もある。相手の心理状態を決めつけてしまう前に、以下の質問を自分に投げかけてみるとよい。
・あなたに対する態度が最近変わったか。
・皮肉を込めたほめ言葉をかけてくるか(「顧客の獲得おめでとう。ボスにお膳立てしてもらえてよかったね」など)。
・あなたと過ごす時間を減らしている、あるいは以前はしてくれたサポートをしてくれなくなったか。
・競争心や優越感を明らかに示したか(会議であなたに反論する、あなたの功績を他の人に対して過小評価するなど)。
明らかな敵意や受動的攻撃性が長期にわたって繰り返し見られる場合は、相手が実際にあなたに脅威を感じている可能性が高く、あなたの気のせいではない。
2. 相手が嫉妬する理由を理解する
実際に問題があると判断したら、対立を避けるために相手を避けようとするのが自然な衝動かもしれない。しかし、それは間違った行動だ。相手に直接的かつ思慮深くアプローチすることで、ミスコミュニケーションを特定し、問題を完全に解消できる。たとえば、同僚があなたやあなたの動機について誤った思い込みをしている可能性もある(「あなたが昇進したのは、ブラッドのチームが助けを必要としていたのに、あなたが彼を失敗に追い込んだからだ」など)。あるいは、第三者があなたについて否定的な情報を与えているのかもしれない。
相手にこう尋ねるとよいだろう。「最近、私が会議で発言すると、あなたが反対意見を述べることが多いですよね。そのことについて、もう少し詳しく教えてもらえますか。それとも何かありましたか」。そうすれば、質問したり不満を吐き出したりする機会を相手に与えることができる。
あるいは、問題の引き金になったと見られる最近のあなたの成功があれば、それについて直接話してもよい。「あなたも昇進を望んでいたことは知っています。私があなたの立場なら、つらく感じるかもしれません。そのことについて、あなたと話しておきたかったのです」
寛大な戦略は、同僚を助ける方法を考えることだ。同僚も成功に向かって歩んでおり、あなたがそれを支援しているのなら、同僚が恨みを抱く可能性ははるかに低くなる。たとえば、大きなプロジェクトを成功させる手助けをしたり、そのプロセスを通じて成功に導いたり、機会を与える「スポンサー」の役割を担ったり、将来の昇進のために注目されるように支援したりすることができる。
3. パワーダイナミクスを分析する
同僚と比較して、あなたの相対的な組織内の地位について考えることは有効だ。どちらが上位の立場にあるか。現在、あるいは将来、あなたの仕事上のニーズを満たすために、相手は必要か。組織内でどちらのほうがネットワークを築いているか。
あなたが「権力の座」にいる場合、出世をめぐる嫉妬はよくあることで、他の人がそれを深刻に受け止めることはないため、同僚について気を揉む必要はないかもしれない。しかし、より影響力のある同僚があなたを嫌っている場合、その組織内でのあなたの将来に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
さらに、互いの目標が共通しているか、それとも競合しているのかを考える必要がある。あなたが望むものは互いに得ることができるか。それとも、一方が勝つためには、もう一方は負けなければならないのか。相手があなたにダメージを与えようとする方法として考えられるもの(昇進の時期にあなたに不利な発言をする、影響力のある委員会からあなたを締め出すなど)をリストにし、そのリスクを軽減する戦略を立てる。そして、相手と再び話をするなり、上司に問題を提起するなり、直接的な行動をさらに起こす必要があるだろう。
4. 真の味方を見つける
信頼している人の中には、いつも味方をしてくれ、あなたの成功を喜んでくれる人がいるはずだ。彼らは陰に陽にあなたをサポートし、影響力のある役割を果たしてきたかもしれない。人々にあなたの仕事ぶりを広め、必要な時にはあなたを励まし、あなたが学び、成長できるようコンフォートゾーンの外に押し出してくれる。あなたに脅威を感じている同僚が問題を起こし始めたら、こうした人たちのサポートが必要になる。
しかし、誰が味方かを考える上では、次のような問いかけをすることも大切だ。あなたに対する相手の態度が変化したか。電話やメールを返してくれなくなったか。交流の機会を避けていないか。おしゃべりをしにあなたのオフィスに立ち寄らなくなったり、必要な時にしかあなたに連絡を取らなくなったりしていないか。ソーシャルメディアで突然あなたの友だちをやめたり、あなたの投稿に反応しなくなったりしていないか。
誰しも忙しい時期はあるが、もし誰かがずっとあなたを避けるようになったら、それはその人を頼りにできなくなったサインである可能性が高い。おそらく、その人が嫉妬しているか、他の誰かによってあなたに対する印象が損なわれているからだろう
5. 必要なら接触を最小限にする
状況に直接対処し、ネガティブな関係を好転させようとあなたが努力したにもかかわらず、妬みを断ち切れない人もいる。彼らは誤ったゼロサム思考、つまり、ある人が成功するためには、他の全員が失敗するか、少なくとも停滞した状態でなければならないという考えに固執している。
こうした場合は、あなたがいくら努力しても、相手の誤った見方を変えることはできないことを認識すべきだ。この時点で、あなたのウェルビーイングのために、距離を置くことが不可欠になる。そうしたネガティブな人たちは成功したすべての人の欠点を見つけようとするため、彼らとは関わらないのが最善だ。
エレガントに、しかし、きっぱりと関係を断つ。仕事上、必要なつき合いには、礼儀正しくプロフェッショナルな態度を維持するが、(良くても)あなたを恨んだり(悪ければ)あなたを裏切る可能性のある人を仲間に入れたり助けたりするためにさらなるエネルギーをそそいではいけない。あなたの新たな成功に賛同し、健全で協力的な環境に貢献してくれる同僚との関係を育むことに注力すべきだ。自分の成功を他人がどう受け止めるかはコントロールできないが、他人の否定的な感情がどれだけあなたの人生に影響を与えるかはコントロールすることができる。一般的に、下位にいる者は競争し、上位にいる者は協働する。賢明な選択をすべきだ。
同僚があなたの成果に恨みを感じるようになるのは不快なものだ。しかし、上記の戦略を実行することで、同僚を味方につけ、彼らがあなたの仕事の目標に与えるダメージを抑えることができる。
"When Your Colleague Is Jealous of Your Success," HBR.org, March 05, 2025.