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感情的な状況で成果を出すために
リーダーはしばしば、対立する意見や強い個性の狭間で矢面に立たされ、感情的になった状況を生産的な結果に導く責任を負う。
たとえば、筆者のクライアントであるマーケティング担当の経営幹部ジェイソンは、困難な状況に直面して筆者に助けを求めてきた。彼のチームでは、2人の主要なリーダーの間でくすぶっていた対立がエスカレートし、互いに会話を拒否するまでになった。彼らのチームもそれに追随し、サイロ化と非効率化が進み、緊張が広がっていた。ジェイソンは、自分が介入すべきであることは理解していたが、激しく対立する意見や感情的な爆発にうまく対処できるか自信が持てず、不安を抱えていた。
強い感情が伴う厄介な状況を管理することは、リーダーシップの職務には付き物だ。対人関係の問題だけでなく、窮地に立たされたチームに悪い知らせを伝えたり、クライアントの不満に対処したり、耳の痛い業績フィードバックをしたり、ビジネスに影響するミスや遅れを伝えたりしなければならないこともある。こうした時は緊張を伴うものであり、経験豊富なリーダーであってもストレスや不安を感じ、事態の悪化や思わぬ影響を懸念することがある。
感情的に困難な状況に直面すると、人はたいてい、非生産的な反応の2つのうちのいずれかに陥る。多くの人はそれについて考えるのを完全に避け、メールなど優先順位の低いタスクで気を紛らわす。一方で、不安に対処したり備えたりするための有意義な手段を講じずに、ただ考え込み、心配ばかりする人もいる。どちらのアプローチも逆効果になりがちで、気持ちが落ち込み、いざという時に精神的な余裕がなくなってしまう。
幸いなことに、感情が高ぶることが予想される面談に備えるための、実証済みの方法がある。スポーツでよくいわれるように、攻撃は最大の防御だ。そうした状況を、自信を持ってうまく乗り切るための、科学的な裏付けのある戦略を紹介しよう。
頭の中に明確なイメージを描く
イメージ、あるいは視覚化は、主にスポーツの分野で用いられてきた効果が実証されたパフォーマンス向上テクニックであり、ビジネスの場面でも効果を発揮する。これは、ある出来事を頭の中でリハーサルすることで、自信とパフォーマンスを高めるという手法である。