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落胆した時に陥りがちな3つの反応
キャリアを積む中で、落胆を覚える理由はいくらでもある。望んでいたリーダー職や提案したプロジェクトの成功、または表彰される機会を逃した時。職場やコミュニティ、社会において人々の言動が私たちの期待に応えてくれない時もしかりだ。
落胆は、複雑で多層的な感情といえる。期待したものが手に入らなかったフラストレーションや、結果が自分にとって重要だったゆえの悲しみ、あるいはベストを尽くせなかったことへの後悔や、不公平に思える結果への憤り、自分以外の人が受賞したことへの嫉妬など、さまざまな感情が渦巻いている。また、次に何が起こるかわからない不安もあるかもしれない。
落胆した時にはよく、うまく受け流して前に進むように言われる。しかしそれは、心に受ける影響、与えられる選択肢、そして学習する可能性を過小評価したアドバイスだ。また、以下の3つの非生産的な反応のいずれかに陥り、身動きが取れなくなることもある。
・特権意識(「私はこれを得るに値する」)。懸命に取り組んだのだから、自分には目指したものを手に入れる権利があると思ってしまうものだ。しかし、この反応は、たいてい非現実的な期待から生じている。どれほど才能があっても、成功は保証されない。結果が「公平」かどうかにとらわれていると、否定的な感情が増すだけである。
・拡大解釈(「この先も自分は絶対に成功できない」)。一度悪い結果が出たからと言って、人としてダメであるとか、また別の落胆するようなことが待ち受けている、ということにはならない。ただし、未来が悪いものだと思い込めば、そのように行動しやすく、自己成就予言に陥ることになる。
・憤慨(「他の人が選ばれるなど、おかしい」)。これは、あなたが意思決定プロセスを部分的にしか見抜けないという事実を見落としている反応だ。盲点や情報の非対称性は、あなたには見えなかった要因があった可能性が高いことを意味する。
それよりも、自分でコントロールできる範囲のことに集中すべきである。落胆に賢く対応し、次の一手を戦略的に打つための6つの方法を紹介しよう。
感情をコントロールする
落胆は、強い感情を呼び起こす。心を閉ざしたり、後で後悔するような反応をしてしまったりする。動揺するのは自然なことだが、挫折にどう対処するかは、自分の成長のためだけでなく、人からどう見られるかという点においても重要だ。下手な反応は、挫折そのものよりあなたの評判を左右し、のちのちまで傷跡を残しかねないため、感情をうまくコントロールすることが極めて重要になる。
まずは、落胆に対する自分の感情や考えを自然なものとして認め、受け入れることから始めよう。落胆の中身を整理し、感情を特定し、具体的な言葉でラベリングする。たとえば、スミスのクライアントであるアンソニー(仮名、以下同)は、4大監査法人の1社でパートナー職に就けなかったことに、「悲しく、幻滅し、傷ついた」と感じたと話した。自分の感情を特定し、名前をつけることで、その感情の強さを和らげ、適切な反応を導き、最も建設的な前進の道筋を描けるようになる。アンソニーの感情は、癒しの必要性を指し示していた。
信頼し、心を許せる友人と話したり、自分の体験を書き出したりすることも、感情を処理するのに役立ち、心身の健康を高めることが証明されている。ただし、誰に相談するかには慎重になろう。他人の悪口を促したり、後ろ向きの態度を助長したりする同僚は、あなたを癒すどころか、前進を妨げる可能性がある。また、何気ない言葉が、何年も忘れられないこともある。狙いは、落胆についてくよくよ考えることではなく、それを理解し、視野を広げ、建設的に前進することだ。