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営業担当者のキャリアステージに目を向けよ
伝統的に、営業組織の人材管理にはカギとなる側面が3つある。つまり、コンピテンシー(その人のスキルと知識)とモチベーション(その人を突き動かす要因)、そして成果(その人が達成したこと)だ。
こうしたフレームワークは貴重な洞察をもたらすが、重要な4つ目の側面──キャリアステージ──を見落としていることが多い。
営業担当者のニーズ、課題、成長の機会は、職業人生の段階によって異なる。マネジャーは、各従業員それぞれの状況に応じて、コーチングを最適化する必要がある。10年の経験を持つ成績優秀者に求められる育成および動機付けのアプローチは、入社3年目の成績優秀者に必要なものとは異なる。
効果的な人材管理は、この自然なキャリアの進行を前提としている。初期キャリアの営業担当者は、基礎的なスキルを習得し、自信を築く必要がある。中堅の営業担当者は、新たな挑戦や報酬を与えられることで活躍する。シニア層の営業担当者には、停滞を防ぐための刷新や再活性化の機会が求められる。
キャリアステージに合ったアプローチ
筆者らは数十年にわたり、世界中のさまざまな業界における数千人の営業リーダーと協働してきた経験を通じて、営業担当者のキャリアステージに応じて能力を開発し、動機づけを行い、定着を促進するための、実証された個別最適な戦略を特定してきた。
次の図表は、営業担当者が成長曲線のどの段階にあるかを見極めること、ならびに不適切な人材管理戦術を用いた場合に生じる可能性のあるリスクを明らかにする手助けとなる。これらのアプローチは、筆者らが協働および調査を行ってきた企業の事例を通じて具体化されたものであり、すべてのチームメンバーが持続的に最高の成果を達成する力を与える。
模索:営業担当者1年目
これらの営業担当者には、コーチングを通じて自信と能力を高める必要がある。彼らの興奮、不安、学びと成功への意欲を引き出すことが重要である。成果よりも、スキルや行動(How)に重点を置くべきである。
あるグローバルテクノロジー企業は、新規採用の営業担当者が配属から90日以内に成果を上げた場合、その後の定着率および成功率が高まることを発見した。その結果、初期研修では動きの早いシンプルな商品に焦点を当て、成約しやすい案件を新規採用者に割り当てることで、早期の成功体験を促し、成長の勢いを加速させる取り組みを行った。