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ディズニーが抱える3つの事業
ウォルト・ディズニー・カンパニー(以下、ディズニー)とネットフリックスの戦略を比較した時の最大の違いは、「事業領域」です。ネットフリックスは動画ストリーミング事業一本のみですが、ディズニーは図表1に示すように、その事業は多岐にわたっています。

出所:ディズニー 2024年9月期のForm10-Kより筆者作成。
「エンターテインメント」(以下、エンタメ事業)、「スポーツ」(以下、スポーツ事業)、そして米国内外でのディズニーランド/ワールドやクルーズ事業といった「エクスペリエンス」(以下、体験事業)における売上高と営業利益の構成を見ていきましょう。
図表2からもおわかりの通り、売上高で最も大きな割合を占めているのはエンタメ事業(44%)であり、それに体験事業(37%)、スポーツ事業(19%)が続きます。

出所:ディズニー 2024年9月期のForm10-Kより筆者作成。
一方、セグメント別の利益で見ると、売上高で半分近くも稼いでいたエンタメ事業の割合はここでは25%ほどに留まり、60%を体験事業が占めています(図表3)。

出所:ディズニー 2024年9月期のForm10-Kより筆者作成。
さらに、セグメント別の利益率を比較したものが図表4になります。

出所:ディズニー 2024年9月期のForm10-Kより筆者作成。
このように、ディズニーの事業の中で利益率が最も高いのは体験事業であり、売上高の44%を占めるエンタメ事業の利益率は10%と、3つのセグメントの中で最も低い水準に留まっています。

ネットフリックスが動画ストリーミング事業の“一本足打法”で20%以上の営業利益率を維持しているのに対し(前回を参照)、ディズニーのエンタメ事業の利益率はその半分以下です。この違いはどこから来るのでしょうか。