
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
会社の戦略と営業活動を一致させる
あなたの組織は、望むものを、望む人に、望む方法で販売しているだろうか。それとも、可能な限り何でも、誰にでも、あらゆる方法で販売してはいないだろうか。あなたの戦略が、利益率の高い成長を促すために投資したソリューションで、特定のターゲット市場において成功することを前提としているならば、後者のアプローチはそれを損なう。
問題の原因として、営業チームのスキル(またはスキル不足)を指摘するのは簡単だ。営業担当者が顧客や見込み客との接し方を改善する機会は常にある。しかし、適切な顧客を十分に獲得できず、優先的に投資したソリューションを必要な価格で販売できないのは、リーダーシップと戦略の問題であり、営業だけの問題ではない。
営業チームが自社の市場参入戦略をどの程度理解しているか、筆者からエグゼクティブに1~10の尺度で尋ねたところ、平均は6.4だった。ひどくはないが、素晴らしいとはいえない。ところが、営業チームに会社の市場参入戦略をどの程度理解しているか尋ねると、平均3.7だった。すべてのセールスコールが市場における戦略の成否を反映していることを考えれば、これは危険なほど低い数値だ。
収益から利益率の拡大、市場シェア、顧客獲得シェアなど、あらゆる種類の成長をリードしようとしている場合、営業部門が市場参入戦略を明確に理解していることが極めて重要だ。その出発点はCEOや経営陣となり、彼らが戦略をうまく伝えることがカギになる。そしてそれは、社内のあらゆるレベルの営業リーダーに伝わっていく。本稿では、営業部門が見込み客や顧客と接するすべての機会において、会社の戦略を実行できるようにするために、彼らに伝えるべきことを解説する。
1. 営業に「期待しない」ビジネスの種類を明確にする
すべての人を満足させる対応が不可能であることは誰もが知っている。しかし、営業チームはしばしば、最適とはいえない機会を追い求めてしまう。なぜ自社に適さない顧客の獲得や接客に、時間、お金、エネルギーが費やされているのだろうと、あなたは何度考えただろうか。
営業チームが実行可能な行動と会社の戦略とを一致させることで、営業リーダーやチームにどのようなビジネスを期待し、また「期待しない」のかを明確にしなければならない。業種、規模、状況など、理想的な顧客像について正確かつ詳細に伝える。また、見込み客の企業において、自社の製品やサービスの購入を承認するのに通常必要とされる権限レベルを具体的に説明する。B2Bの営業で最もよく見られる戦略上のミスは、営業担当者が、購入権限のない見込み客への営業に集中し、購入できる見込み客と関係を築かないことだ。
2. 自社の競争優位性を明確にする
見込み客や顧客のタイプごとに、競合他社ではなくあなたの会社を選ぶ理由はいくつかあるだろう。営業チームが見込み客や顧客と接する際に、どのような優位性を重視してほしいかをチームが具体的に理解できるようにする。また、自社の最大の価値と差別化のポイントを彼らが明確に理解していなければならない。それには自社のプレミアム製品や、最も投資しているソリューションにつながる顧客の問題や目的も含まれる。このレベルの理解がないと、営業担当者は自分が最も慣れていて詳しいこと、つまり多くの場合、機能やメリットの羅列を伝えることに終始してしまう。