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自分の足跡として何を残したいのか
私の父は口数が少ない人だった。物静かで物腰やわらかく、自分の話はあまりしなかった。長くパーキンソン病を患っていたが、そのようなことにとらわれなかった。亡くなる少し前に、どのような人だったと記憶されたいかと尋ねたところ、父は「事実だけだ」と答えた。
その答えは、長く私の耳に残った。それは父の謙虚さだけでなく、レガシー(本人がいなくなった後も長く残る功績)というものについても多くを物語っていたからだ。大切なのは肩書きや栄誉ではなく、事実、つまり日々どのような姿勢を示し、どのように人に接し、誰も見ていない時でも、どのような価値観に基づいて行動したかである。
組織のシニアリーダにとって、これは重要なリマインダーだ。大きな目標や結果のために努力するのは当然だが、より深い足跡を残すには、もっと静かな選択が必要だ。
では、そのようなレガシーはどうすれば築けるのだろうか。
振り返りは長い道のり
私はリーダーシップのコーチとして、レガシーづくりにつながる日常的な選択に、明快さと自己認識、そして意図をもたらすようなサポートをよく行っている。そこで、自分を見つめるための2つの問いを紹介しよう。
私はどのようなことで認識されたいか
日常生活から一歩下がって、一見したところ単純なこの質問を自分にぶつけてみよう。まとまった時間をつくり、自分がどのようなことで認識されたいかを、考えるだけでなく、どこかに書き留めよう。すると、抽象的なアイデアを具体化するのに役立ち、驚くほどの明瞭性を得られる。
あるリーダーは、自分の志について次のように語った。「私は、人間関係づくりに時間を費やし、率直なフィードバックを与え、本人たちが準備できているか確信が持てないポジションであっても、そこにたどり着くために成長することを助けた人間として知られたい」
次のことを考えてみよう。