フレックスで柔軟な働き方がバーンアウトを招く時
Illustration by Jennifer Tapias Derch
サマリー:フレックスタイムは、多くの人にとって魅力的な福利厚生であり、勤務時間中に家庭の用事に対応できる柔軟性をもたらす。しかし、柔軟なスケジュールという恵みも、通常の勤務時間内に仕事を終えられない時には、呪い... もっと見るのように感じられることもある。本稿では、仕事と生活のバランスを取り戻し、双方に集中するためのステップを紹介する。 閉じる

公私ともに順風満帆な生活の裏で

 一見すると、ショーンは順調だった。キャリアの早い段階で仕事に多大な努力を注ぎ、事務所のパートナーにまで昇進した。現在は組織のトップリーダーの一人として、勤務時間を自分で決める自由があり、その柔軟性を妻と子どもたちのために使っていた。ショーンにとってそれは、朝に子どもたちを保育園に送り、午後4時までに仕事を終えて夕食前に一緒に過ごし、週に一度は仕事を数時間遅らせて子どもたちの水泳教室を見学するということだった。

 しかし、家族のために柔軟な働き方を活用しつつ、仕事でも優れた成果を出そうと努力することは、みんなが寝た後に再びPCに向かい、深夜に仕事を終わらせようとすることを意味していた。さらに、子どもたちが起きる前に運動しようと、アラームを午前4時半にセットしていた(しかし、運動がスヌーズボタンに勝つことはほとんどなかった)。

 ショーンは、素晴らしい夫であり父親であり、事務所では成功したパートナーでありたいと望んでいた。そして、睡眠不足や運動不足によって健康を損なうことなく、それらすべてを実現したいと考えていた。しかし、たとえ家族と多くの時間を過ごしていても、ショーンは常に仕事が遅れていると感じており、心からその時間に集中することができなかった。

 その結果は──燃え尽き症候群(バーンアウト)だった。

 あなたも思い当たるところがあるだろうか。柔軟なスケジュールという恵みが、通常の勤務時間内に仕事が終わらない時には、呪いのように感じられることもある。不規則な時間に仕事を詰め込むことになり、心身ともに限界を感じてしまう。しかし、フレックスタイムを使わないことは、機会を逃したように感じられる。特にリーダーは、従業員に提供された制度を活用する姿勢を示すよう求められることが多い。

 では、どうすればよいのか。筆者はタイムマネジメントのコーチとして16年以上の経験を通じて、完全に柔軟なスケジュールは、どこにも十分に応えられていないと感じる燃え尽きの原因になりうることを見出してきた。また、自分がその時々で正しいことをしているという確信が持てず、常に気が散ってしまう原因にもなる。さらに、どこかでより多くの時間を費やすべきだと常に感じているため、リラックスすることに罪悪感を覚えてしまう。

 しかし、時間をより戦略的に使い、柔軟性を自分の味方にする方法は存在する。仕事と生活のバランスを取り戻し、どちらにも真に集中するためのステップを以下に示す。

「十分」の基準を明確にする

 人生のさまざまな領域で、何が「十分」かという明確で現実的な基準がないと、自分は失敗しているのではないかという感覚に陥りやすい。