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マネジャーからさらに上級職へ昇進した際の心構え
現場マネジャーから「リーダーを率いるリーダー」へと昇進することは、キャリアにおいて極めて大きな節目だ。この役割は、より広範な職務範囲、より大きな期待、そして最高レベルでの戦略、文化、組織の業績を形成する影響力をもたらす。この段階に到達すると、興奮を覚え、自分の努力が正当に評価されたと感じることもあるだろう。長年の実績が評価され、決定権を持つ地位を得たのだ。あなたの意見はより大きな重みを持ち、方向性を定め、より重要な問題を解決することに胸を躍らせるに違いない。
しかし、ここからが難しい。上級職には相応の褒賞が伴うものの、この移行そのものに戸惑うことがある。リーダーを率いることは、単にチームや予算が大きくなるというだけの「これまでの延長線上にある」わけではない。実際には、自身の役割に対する考え方、時間の使い方、そして成功の測り方を根本的に変える必要がある。
オペレーション担当役員のクラウディアは、このことを身をもって知った。彼女は、出荷の遅延、顧客からの苦情、人員不足といったあらゆる問題を解決することで評判を築いてきた。地域マネジャー4人を統括する立場に昇進した際、クラウディアはそれを以前の役割の延長と捉えていた。積極的に助言を与え、チームミーティングに参加し、ほぼすべての意思決定に口を挟んだが、その過程でマネジャーたちの機会を奪っていることに気づいていなかった。彼らは感謝する様子はなく、むしろ苛立っているようだった。そしてクラウディアの上司は、なぜ彼女がいまだに細部にまで立ち入っているのかを疑問視した。彼女は以前よりも長時間働いていたが、これまでになく効率が落ちていると感じていた。
これはクラウディアにとって警鐘だった。現場レベルで彼女を成功に導いた行動、たとえば実践的であることや、解決策を即座に提供することなどが、今や彼女の足かせとなっていたのだ。彼女は有能だったが、新しい役割のレベルに合わせて自身のプロフェッショナルとしてのアイデンティティを更新できていなかった。
あなたも、リーダーを率いる立場への移行の途中で、自分の立ち位置を見つけようとしているところかもしれない。もしそうなら、クラウディアのように、自分の価値や有能さを決定づけるものについての考えを再構築する必要があることに気づいているかもしれない。以下は、あなたが実行すべき3つの重要な変化だ。
1. 専門家からコーチへの転換
あなたの仕事は、もはや会議で最も優れた知識を持つ存在であることではなく、マネジャーたちを独立した意思決定者として育てることにある。つまり、問題を即座に解決しようとする衝動を抑え、代わりにチームが自身の判断力を養うための余地をつくらなければならない。