
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
組織幹部の半数以上が「今後2年以内に現職を辞める可能性が高い」と回答
この5年間は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)を合わせたVUCAと呼ばれる環境が、組織の進歩だけでなく存続そのものを脅かし、ビジネスリーダーにとって試練の時となった。
経験豊富な経営幹部を擁することは、パフォーマンスの維持に不可欠だ。2024年10月にガートナーが経営幹部200人を対象に実施した調査では、彼らの平均在職期間が5年以上の企業は、幹部の在職期間が短い企業と比較して、収益や顧客体験などの主要指標で優れていることが明らかになった。
しかし、上級幹部を維持することはますます困難になっている。ガートナーの調査では、幹部の半数以上(56%)が今後2年以内に現職を辞める可能性が高い、または非常に高いと回答した。そして、4分の1以上(27%)が半年以内に辞める可能性が高い、または非常に高いと答えた。さらに憂慮すべきは、高いパフォーマンスに不可欠なベテランの幹部は、新しい幹部よりも2年以内に退職する可能性が約40%高い。
経営幹部の離職を抑制し、パフォーマンスを維持しようとする組織は、以下の3つの行動に焦点を当てる必要がある。
1. 幹部の不満の原因を特定する
従来、経営幹部は退職の主な理由として、引退やバーンアウト(燃え尽き症候群)を挙げていた。これらはいまでも重要だが、現在の彼らの離職要因はこれだけではなく、最も重要な要因でもない。実際、2024年10月のガートナーの調査では、今後2年以内に退職を考えている幹部のうち、引退を計画しているのはわずか17%だった。仕事上のストレス、ワークライフバランス、メンタルヘルスといったバーンアウトに関連する要因は、離職意向が高い幹部(積極的に転職活動を行っている、または今後1年以内に転職活動を計画している)が挙げた10の要因のうち、それぞれ5位、6位、7位に留まった。
現在、多くの幹部は単に新しい挑戦を求めていることがわかっている。全体として、幹部が現在の役職を辞める理由として挙げたのは、キャリアアップの機会(2024年10月調査で1位)、組織文化との不一致(2位)、より高い報酬(3位)、仕事への不満(4位)といった、成長に関する懸念だった。