問題を解決したいなら、フレーミングに時間をかけなさい
サマリー:予定がぎっしり詰まった慌ただしい日々の中で、学習に時間を割くことは意外と難しい。そんな毎日を過ごす中でも1日1ページめくるだけで、自身を問い直し、重点課題を見つけ、あなたが成長するきっかけを与えてくれる... もっと見るのが、書籍『リーダーを支える365の言葉』だ。本連載では、同書から珠玉の一節をご紹介していく。今回は、何か問題が起こった際に、問題を理解し、定義するプロセスである「フレーミング」に時間をかけることの重要性を説いた、IMD教授のユリア・ビンダーとマイケル D. ワトキンスによる論文「問題解決は『問題のフレーミング』から着手せよ」の一節を紹介する。 閉じる

 予定がぎっしり詰まった慌ただしい日々の中で、学習に時間を割くことは意外と難しい。そんな毎日を過ごす中でも1日1ページめくるだけで、自身を問い直し、重点課題を見つけ、あなたが成長するきっかけを与えてくれるのが、書籍『ハーバード・ビジネス・レビューが贈る リーダーを支える365の言葉』だ。本連載では、同書から珠玉の一節をご紹介していく。

 今回は、何か問題が起こった際に、問題を理解し、定義するプロセスである「フレーミング」に時間をかけることの重要性を説いた、IMD教授のユリア・ビンダーとマイケル D. ワトキンスによる論文「問題解決は『問題のフレーミング』から着手せよ」の一節を紹介する。

難しい問題は
フレーミングし直す

「筆者らの研究や他の研究が示す通り、リーダーやチームは、問題を解決しようとする前の、問題を精査し定義する作業をおざなりにしすぎている。(中略)いきなり問題解決モードに入ってしまうせいで、革新的で持続性のある解決策を考え出す能力が発揮されないのだ。

 そのため、企業やチームには、次のようにアドバイスしている。まず『問題のフレーミング』にもっと時間をかけなさい、と。フレーミングとは、問題を理解し、定義する作業である。フレームを検討するとは、言わば一つの情景をカメラのレンズやアングル、絞り、ピントをあれこれ変えながら見てみるようなことである」

 どのようなフレームを使えば、問題を新たな視点で捉え直せるだろうか。

「問題解決は『問題のフレーミング』から着手せよ」
ユリア・ビンダー
マイケル D. ワトキンス

参考論文「問題解決は『問題のフレーミング』から着手せよ」とは

 何か問題が起こった時に、ビジネスリーダーはすぐさまその解決方法を探ろうとしがちだ。しかし、慌てて問題解決を進めようとすると、斬新で持続性ある解決策を立案する力を削いでしまうことになりかねない。

 IMD教授である筆者らが勧めるのは、まずその問題を理解し、定義するプロセスである「フレーミング」に時間をかけるというものだ。フレーミングにより問題をさまざまな視点からとらえることで、気づかなかった知見が得られ、アイデアも生まれる。

 論文「問題解決は『問題のフレーミング』から着手せよ」では、この、問題のフレーミングにおける5つのEという方法論を紹介し、実際にあった企業事例をもとにした架空のオメガ社を例に、そのやり方を解説している。

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