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大きな決断が反発を招いたら、どうすべきか
あなたは、組織にとって正しいと確信している変更を発表した。しかし、その方向性が一部のチームメンバーを不快にさせることもわかっている。そして案の定、すぐに一部の同僚から受動攻撃的なコメントが上がっていることに気づく。
さらに悪いことに、その反発が個人的なものに感じられる。「少し立ち止まって考えましょう」といったような穏やかな懸念ではない。むしろ、人々が公然とあなたの選択に疑問を呈したり、あなたの判断を軽んじたり、会話からあなたを排除したり、あるいはあなたが権限を越えた行動をしているかのように扱ったりする。あなたのほうが高い権限を持っているにもかかわらず、だ。
新たに市行政官に任命されたリックが、実際に直面した出来事を紹介しよう。就任から数カ月後、彼は道路工事や事業許可の遅延を引き起こしていた煩雑なプロジェクトの承認プロセスを再構築した。この変更によって一部の部門長が影響力と権限を失うことはわかっていたが、彼は抵抗がこれほど大きなものになるとは想定していなかった。
変更発表後の最初のスタッフ会議で、公共事業ディレクターは「市政の複雑さを理解していない」とリックを攻撃した。計画・区画管理マネジャーは「性急な実施」への懸念を口にした。リックはその後、最終決定済みだと考えていた計画を擁護するため、さらに数回の会議を行った。やがて、日常的な予算承認や人員配置の決定など、彼の要求に対するより広範な懐疑論がチーム全体の姿勢に影響し始め、リックは何か手を打たなければならないと悟った。
多くのリーダーは、人々を巻き込みつつも、彼らの感情によって必要な変更を阻害されないようにバランスを取らなければならないというジレンマに陥っている。以下では、その緊張関係をどう乗り越え、反発を受けた際にどのように対応すべきかを解説しよう。
抵抗を再解釈する
人々があなたに不満を抱いている時、あなたの脳は「自分が何か間違ったことをしてしまったに違いない」と考える。そして個人的な問題として受け止めてしまうが、実際はほとんどの場合、人々の反応はあなたではなく、彼ら自身の恐れと深く関係している。チェンジマネジメントの研究者であるウィリアム・ブリッジズによれば、いかなる変化も「終わり」の段階から始まり、この段階で人々は得るものを受け入れる前に、失うものについて悲しむ。つまり、あなたに向けられている反発は、慣れ親しんだものが終わるプロセスにおいて生じる自然な副産物なのだ。
リックは当初、部門長の懸念を自分のリーダーシップに対する不信任投票だと受け止め、何度も会議で自分のリーダーとしての資格を擁護し、根拠を説明した。しかし、彼らの反応を状況に当てはめて捉え直すことで、リックは深い共感を抱き、自身の防衛的な態度も和らいだ。公共事業ディレクターは、15年間保持してきた影響力を失うことに葛藤しているのだと気がついた。計画・区画管理マネジャーは、ゲートキーパーとしての役割が縮小するという現実を受け止めようとしていた。リックは自身の計画が妥当かどうか、あるいは彼らのフィードバックに耳を傾けるべき有効な懸念が含まれていないかを、より合理的に検討することができた。
謝罪はせず不快感に共感を示す
相手の経験を認める一方で、組織の目標達成を後退させる必要はない。方針を覆すつもりはないことを示しつつ、相手の話に耳を傾けていることを伝えることができるのは、以下のような言葉だ。