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会社が混乱している時、チームを健全に保つには
職場の雰囲気が最悪だ。どこもかしこもピリピリしていて、どんどん人が辞めていく。それが本人の選択によるのか、会社との「双方の合意」によるのかはわからない。職場の雰囲気が有害な状態と紙一重である時、リーダーはチームを安定させるために、いちだんとハードに働かなければならない。チームが機能不全に陥らないようにすれば、失うわけにはいかない人材を引き留める機会が生まれるからだ。
こうしたネガティブな状況における最善の対策とは何か。会社の問題に対して、現実的でありつつ、建設的であるにはどうすればよいのか。会社の混乱がチームに及ばないようにするためには、どうすればよいのか。
専門家の意見
コミュニケーションと信頼が崩れた会社で、チームを率いるリーダーは、無力感に襲われることがある。あらゆることに嫌なエネルギーが入り込んできて、あなたの部下たちも汚染されてしまうかもしれない。だが、チームリーダーは、「自分が思っている以上に大きな支配力と影響力がある」と、カリフォルニア大学バークレー校ハーススクール・オブ・ビジネスの学部長ジェニファー・チャットマンは言う。
「やや有害な会社でも、非常に有害な会社でも、部門ごとにサイロ化するとプラスになることがある」と彼女は言う。「リーダーにとっては、優れた人材の集まる孤立地帯をつくるチャンスだ。つまり、社内の他の組織からの悪影響をブロックする文化をつくることに集中すべきである」
万事順調だと装ってはいけないと、人材コンサルティング会社マリダ・アドバイザーズのCEOナターシャ・ケヒムカーは言う。そうではないことは誰の目にも明らかなのだから。「現実を認めて、実際に起こっていることから隠れようとせず、チームに権限を与え、強いつながりを維持することに注力しよう」とケヒムカーは言う。「一緒にポジティブなものを構築し、混乱の中でもチームが活躍するのに必要なツールとサポートを提供することに集中すべきだ」。以下では、そのための7つの方法を紹介しよう。
独自の基準を設定する
まず、重要なのは、機能不全の職場をしぶしぶ受け入れる必要はないことだ。リーダーは、もっとよい職場をつくることができる。カギは、チームの文化を踏まえて、そうした職場の構築に全員が参加できるようにすることだと、チャットマンは語る。「理想の文化とはどのようなものか思い描き、そこに到達できるような慣習をチームで特定する」。お互いへの接し方についてルールをつくろう。クライアントとの関わり方を決めよう。そして、対立が生じたらどのように対処するべきかについて、チームで話し合おう。「有害な文化から距離を置く方法があることにリーダーが気づけば、部下たちにも伝わる」とチャットマンは言う。
目標は、チームメンバーの発言の機会を増やして、自分たちが主導権を握っているともっと感じさせることだ。チームに「どんな評判を勝ち得たいか」「どのような特徴のチームだと思われるべきか」「他のチームとの違いは何か」と問いかけるよう、ケヒムカーは助言する。「こうしたことを中心にチームの文化をつくるのだ。自分たちが他の部門より優れていると証明するのではなく、他とは一線を画す意図的な文化をつくることを目指すのだ」
よい習慣を強化する
ひとたびチームで協力方法について合意したら、それを日々強化する必要がある。「自分たちの将来が脅かされているとチームが感じている場合、リーダーの仕事は、その不安を払拭して、チームが成果を上げるのに必要な自信を取り戻せるようにすることだ」とチャットマンは言う。そして、「交流の機会をつくり、リーダーが求める新しい行動の模範となるサクセスストーリーを紹介する」ことを提案する。たとえば、コラボレーションを増やしたいなら、チームメンバーが共同で問題を解決した例を紹介して、それがうまくいった理由を説明しよう。
個人の功績だけでなく、チームワークを称えよう。「人が変化に抵抗するのは、変化が嫌だからではなく、リーダーに何を求められているかわからないからだ」とチャットマンは言う。「リーダーがもっと明確に説明すれば、部下たちは思い切って新しい行動を試みるようになる」






