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360度評価だけでは何も変わらない
筆者がコーチしたあるシニアリーダーは、360度評価を受け取った後、あやうく会社を辞めるところだった。彼はキャリアの大半において、意見をはっきり主張し、臆せずに異議を唱え、組織をよりよくつくり直せるように既存の枠組みを打ち壊していく姿勢が評価され、昇進を果たしてきた。
ところが、上司と同僚からの直近のフィードバックは、彼が幹部グループの中でチームプレーヤーとして有効に機能していないことを示唆していた。当初、彼はそれに傷つき、怒りを感じていた。だが、勇気を振り絞って、360度評価で多くの人から指摘された点について、同僚と直接話すことにした。もちろん、匿名による評価のため、厳密に誰が何を言ったのかはわからない。だが、対話を通じて、彼は自分で思っていたよりも、はるかに支持を得ていることを知った。同僚の幹部は、彼の考えや実現したい変化に反発しているのではなく、あまり対立的にならず、もっと協調的になってほしいとだけ思っていたのだ。
忌憚のない話し合いの後、同僚は彼が提案した変革に足並みを揃えた。そして、彼は勢いと信用を得たのである。
360度評価だけでは何も変わらない。変化をもたらしたのは、その後の対話だった。実際、研究によると、360度評価の後にリーダーシップが効果的になるかどうかを決める最大の要素は、フィードバックを提供した人々と話し合いをしたかどうかだった。では、どうすれば効果的な話し合いができるだろうか。それには、以下の戦略が役に立つだろう。
感謝から始める
何よりもまず、フィードバックのために時間を割いてくれた人々に感謝しよう。心からの謝意を伝えることは、あなたが彼らの意見を重視し、フィードバックのプロセスを真剣に受け止めているというシグナルになる。
誠実な態度で具体的に話すことが大切だ。「皆さんがフィードバックを真剣に考えてくださったことに感謝しています。フィードバックは匿名ですが、私がどの点で評価され、どの点で改善の余地があるのかがわかりました」
たとえば、筆者が知っているあるリーダーは、直属の部下たちが人員削減や組織改編の際に彼が提供したサポートについて肯定的なコメントを書いてくれたことに、涙が出そうになったと、部下たちに話した。次に、自身のいくつかの改善点について、彼らからの建設的なフィードバックを大切にしていることも伝えた。
感謝を示した後は、フィードバックを消化する時間を取ってから、もっと具体的な報告をするつもりだと伝えよう。「後日、それぞれの点について取り組みたいことや力を貸してほしいことについて報告したいと思います」。これが、今後のより深い対話の前振りになる。
憶測から対話へ
360度評価レポートを読んだ後、あなたは当然ながら、人々が何を言いたかったのか、あれこれ憶測するだろう。だが、最もよくないのは、自分の思考の殻に閉じこもり、自分のレンズでフィードバックを解釈し、はたしてそれが正しい理解かどうかを検証しようとしないことだ。
シニアリーダーのミシェルは、将来、Cレベルの役職に就くべく準備を進めていたが、意思決定の能力を疑問視されていることが360度評価でわかった。ミシェルは自己反省するタイプなので、意思決定のスピードに問題があると推測し、もっと迅速に選択をするように自分を追い込んだ。だが、それによってストレスがかかり、混乱し、持続できないと感じた。







