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リーダーへの評価を左右する「変化を起こす速度」
従業員からのフィードバックに応えることは、リーダーが成長し、改善を図るための重要な手段だ。しかし、受け取ったフィードバックをどう扱うべきかを判断するのは、容易ではない。意見が聞き入れられたと従業員が感じられるように、すぐに変化を実行に移すべきだろうか。あるいは、自分が行動を改めていることを認めれば、リーダーとしての弱さを露呈してしまうだろうか。
筆者らは、『アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル』誌に掲載された最近の研究論文において、リーダーがフィードバックを受けて行った変化を従業員がどう評価するかを調査した。その結果、すべての変化が好意的に受け入れられるわけではないことが明らかになった。それどころか、リーダーにオーセンティシティが欠けている、すなわち改善への努力が中途半端で不誠実であると解釈されてしまうこともあるのだ。
オーセンティシティを認識されることは、効果的なリーダーシップにとって極めて重要だといえる。オーセンティックなリーダーは信頼を醸成し、コミットメントを引き出し、協働を促進するからだ。筆者らの研究は、リーダーに対する評価を左右する決定的な要因を特定した。それは、変化を起こす速度だ。この知見は、従業員のフィードバックに対処しようとするリーダーにとって重要な意味を持つ。どのように応じるかの選択が、誠実さを認めてもらえるかどうかを決定づける可能性があるからだ。部下から「本物だ」と信じてもらえないのであれば、誰が自己改善に向けた努力をしようと思うだろうか。
なぜ速度が重要なのか
フィードバックに応じたリーダーの改善の速度と、認識されるオーセンティシティとの潜在的な関連性を検証するため、筆者らはまず博士課程の学生を対象としたフィールド調査を実施した。全米の研究大学に所属する学生205人に、指導教官がリーダーとして改善すべき具体的な点を特定してもらったところ、回答は、メンターシップ、コミュニケーション、研究室の運営など多岐にわたった。
次に学生らに、指導教官が行動を改めた場合に自分がどう反応するかを説明してもらい、一方のグループには「急速な改善」を、もう一方には「緩やかな改善」を想定してもらった。急速な変化を想定したグループは、自分が望んでいた変化であったにもかかわらず、「不誠実で強制されたもの」「二枚舌」「疑わしい」など、オーセンティックではないと表現する傾向が高かった。
対照的に、緩やかな変化は、「思慮深く、心からの改善意欲の結果」「その人本来の姿」「人としての成長」の表れといった、オーセンティックな言葉で表現される傾向があった。リーダーを描写する言葉のこの決定的な違いは、行動変化の速度が、学生の指導教官に対する見方を規定していることを示している。急すぎる改善は不誠実だと感じられるのだ。
2つ目の調査も、この結果を裏づけるものだった。エグゼクティブリーダーシッププログラムの実際のデータ(参加者が360度評価に基づき改善点を特定し、対応するアクションプランを作成したもの)を用い、一般的な8つのリーダーシップ改善計画を特定した。そのうえで参加者2000人を対象に実験を行い、架空のリーダーに関する計画を提示し、そのリーダーが計画通りに「急速に」あるいは「緩やかに」変化したと伝えた。多種多様なリーダーの行動の変化において、参加者は急速な変化は緩やかな変化よりも不誠実であると評した。






