サービス産業はシックス・シグマの"宝の山"
シックス・シグマがサービス業でも有効なことは、GEや当社のケースが示している。しかし、日本ではサービス業への適用事例が少ないようだ。
トヨタ生産方式に代表されるように、日本企業は何十年も前から製造現場の改善に取り組んできた。こうした素地があるからだろう、製造現場へのシックス・シグマ導入は比較的スムーズに行われているようだ。
一方、サービス業やホワイトカラーの職場の生産性は、他の先進諸国に比べてかなり見劣りする。業務改善の土壌がないところに、シックス・シグマを持ち込んでも機能しないということだろう。逆から見れば、それは"宝の山"である。確立された方法論に基づいてサービス分野のムダを除去すれば、その企業はライバルに大きく差をつけることができる。
そのために必要なのは、何よりも経営トップのコミットメントである。トップが本気を見せなければ、組織は変わらない。たとえば、だれもが認めるエースをプロジェクトの専任にすれば、会社の本気度を全社員に伝えることができる。
また、仕組みづくりも欠かせない。当社では、ファーストチョイスの進捗度を賞与に反映させている。ハイ・パフォーマーを処遇することも、会社としてのメッセージの1つである。
DHLジャパンはこれまで以上のお客様満足の実現に向けて、ファーストチョイスをさらに深化させていく。精緻なグローバル・サプライチェーンを追求する日本企業のニーズに対応して、私たちも国際物流サービスをいっそう高度なものにしていきたいと考えている。
山川丈人 [Taketo Yamakawa]
DHLジャパン 代表取締役社長。日本においては、サービス業へのシックス・シグマ導入事例はあまり聞かれない。しかし、大きな成果を上げている企業もある。ドイツポストDHLグループ内の日本法人、DHLジャパンである。サービス分野やホワイトカラーの生産性向上を目指す日本企業にとって、同社の取り組みは重要な示唆を含んでいる。
DHLジャパン 代表取締役社長。日本においては、サービス業へのシックス・シグマ導入事例はあまり聞かれない。しかし、大きな成果を上げている企業もある。ドイツポストDHLグループ内の日本法人、DHLジャパンである。サービス分野やホワイトカラーの生産性向上を目指す日本企業にとって、同社の取り組みは重要な示唆を含んでいる。
(文責・編集部)
(DHBR 2010年10月号より)