秀でた能力を持つ人をどのようにして探すか
――一方で「学歴で採用しているのではないか」と言われても反論のしようがないほど、マッキンゼーの方は高学歴の方が多いですね。
大学名に対するこだわり云々の前に、コンサルタントは一定の学力が必要な仕事です。数値分析にしろ論理的な議論にしろ、求められる業務を遂行するには高い読解力や数的処理能力が必須です。これらの能力を見極めるため独自に開発した適性検査を行っていましたが、それらの検査においても、いわゆる偏差値の高い大学出身者の“平均点”が高い傾向にあるのは否定できません。
ただ、個々の人の能力は平均点だけでは判断できません。いわゆる良い大学には行っていないけれども、能力的に秀でた人材をどのようにして探し出し、採用するか。この難しい課題に対して、常に努力と試行錯誤を重ねています。
たとえば地方の大学にも、必ず秀でた能力を持った人はいるはずです。でも、東京で開催される会社説明会に、北海道や九州から参加するのはハードルが高すぎます。一方、マッキンゼーの採用担当者が頻繁に北海道や九州に行けるかというと、マンパワーの問題からそれも難しいのが現状です。地方の学生にも、自分がコンサルタントに向いているかどうかを判断できる機会を提供したいのですが、なかなか難しいところです。
個人的には今後はウエブサービスやSNSに可能性を感じています。こうした技術が発展すれば、東京から離れていてもマッキンゼーの仕事内容を把握できるようになるからです。それによって、地方の大学から受けてみようと考える人が増えてくればベストです。もしくは、マッキンゼーがSNSを通じて魅力ある人を発見し、採用できれば素晴らしいですね。