リーダーシップを発揮し、自分にしかできないことをやる
――伊賀さんは、バランスの取れた人材である必要はない、ある部分で突出した能力を持った「スパイク型人材」であればいいと言われています。
どんな企業でも、基本的にチームで仕事をすると思います。バランスの取れた人材だけでは、チームとしての力は最大化できません。それぞれ違う分野で突出した何かを持ったスパイク型人材がチームを組むことで、全体として大きな力を発揮できるのです。
クライアント企業側には、能力の高い方が数多くいらっしゃいます。そこに部外者が入るわけですから、明らかな必然性がないと納得していただけません。あの人のこの部分はすごいよねと思ってもらえるコンサルタントであれば、クライアントさんに納得していただけるのです。そういう意味で、スパイク型人材のほうが向いていると思います。
――マッキンゼー出身の勝間和代さんや、瀧本哲史さん(京都大学客員准教授)などもそういう基準で選ばれた人なんですね?
そうですね。忙しい経営者は、分刻みのスケジュールで1日に何十人もの人に会っています。1週間前に会った人のことなど、ほとんど忘れてしまいます。しかし、勝間和代さんや瀧本哲史さんのようなスパイク型人材は、一度会うと忘れないものです。ほかの人とはまったく違うということが、コンサルタントにとっては重要なのです。
――オイシックス社長の高島宏平さんなど、マッキンゼーには辞める前提で入ってくる人もいると聞きます。
マッキンゼーは終身雇用ではないので、最終的に別のところにやりたいことがある人が多いのは事実です。ただ世の中には、「将来の勉強のためだけに働いている」という態度で勤まるほど、甘い仕事はありません。マッキンゼーも同じです。
キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスにてMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、コンサルタント(アソシエイト、エンゲージメント・マネージャー)、および、人材育成、採用マネージャーを務める。2011年より独立。現在は、キャリアインタビューサイト MY CHOICEを運営し、リーダーシップ教育やキャリア形成に関する啓蒙活動に従事する。
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