-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
プレッシャーのかかる現場でのチームパフォーマンス
業種にかかわらず、企業がチーム支援を目的に新技術を導入する際は、チームメンバー同士が過去にともに働いた経験が依然として非常に重要であることを忘れてはならない。スペイン・マドリードの中規模病院における手術に関する研究により、それが裏づけられるとともに、チームの最適な人員配置に関するさらなる知見が得られた。
多くの病院は長年、手術室の最適化を図るために、ダッシュボードや予測アルゴリズム、リアルタイム監視システムといったデジタルツールへの投資を行ってきた。しかし、非効率性は依然として残っており、手術時間のばらつきは大きく、日によって、あるいはチームによってパフォーマンスが大幅に異なる。マドリードの都市型総合教育病院であるHLAモンクロア病院で、2016年から2019年にかけて行われた7万7000件以上の手術に基づく我々の調査により、手術室のパフォーマンスを左右する大きな要因は技術ではないことがわかった。重要なのは、チームがどのように設計されているかである。
我々の研究実施後、同病院は我々の支援を受け、全症例の25%を占める4つの外科診療科を対象としたパイロット(試験的取り組み)を実施した。その結果、我々の発見が裏づけられた。
円滑に運営される手術室がある一方で、困難が生じる手術室がある理由は、一貫して3つの要因で説明できる。それは、手術チームのメンバーが過去に一緒に働いたことのある人数とその回数、イノベーションを促進し、他の人が新しい仕事のやり方を学べるように、手術スタッフをチーム間でローテーションさせる仕組み、そして職位や男女比などの要素を含む個々のチーム構成である。これらの要因を偶然に任せるのではなく意図的に設計すると、パフォーマンスは向上する傾向にあり、多くの場合、迅速かつ最小限のコストで実現する。逆に、これらの側面が無視されると、どれほど先進的なツールも、コーディネーション(関係者間の調整)の問題は解決できない。
我々の研究は病院の手術室に焦点を当てているが、結果が示唆するものは医療の枠をはるかに超えている。コンサルティングやソフトウェア開発から、緊急対応、その他のプロジェクトベースの現場に至るまで、多くの専門職の現場では、プレッシャー下で編成・再編成される流動的なチームに依存している。こうした現場において、パフォーマンスは個人の専門知識や既定のプロセスだけでなく、人々がリアルタイムでいかに連携し、調整し、適応するかにかかっている。
なぜテクノロジーだけで手術室の問題は解決できないのか
病院には、多種多様なパラメータの測定を強化する高度に洗練された技術が導入されてきた。しかし、遅延は単なる測定の問題ではなく、その大部分は手術チームのコーディネーションによって生じている。そして、コーディネーションはソフトウェアよりも、チームの構成や人員配置に大きく依存している。






