職場で音楽を聴きながら仕事をすることの功罪
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サマリー:職場で音楽を聴きながら働く行為は、集中力を高める個人の有効な手段と見なされがちだ。だが最新の研究により、それが同僚に意図の推測を促す「社会的行動」であることが判明した。もし娯楽目的だと誤解されれば、周囲からの支援を失うなど無自覚のうちに社会的代償を払うことになる。本稿では、この行動の曖昧さがもたらす影響と、職場の摩擦を防ぐための実践的なステップを論じる。

なぜオフィスで音楽を聴くのか

 現代のオフィスで、決まって目にする光景がある──イヤホンを耳に挿し、好みの音楽を聴きながら、下を向いて仕事をしている人たち。

 多くの従業員にとって、音楽は集中力を保ち、気分を整え、根気を維持するために不可欠なツールになっている。多くのマネジャーにとって、パフォーマンスがよければ何の問題もない。集中力が高まるなら音楽を聴いても構わない。せいぜいコーヒーを飲むことやスタンディングデスクを使うことと同じように、害のない好みの問題にすぎない。

 ただし、重要なことを見落としている。職場で音楽を聴くことは、個人の生産性向上のための選択というだけではない。それは目に見える社会的行動でもあり、同僚は何か意味を読み取ろうとするのだ。誰かがヘッドホンをつけて音楽を聴き始めると、周囲の人は自然とその意味を推測しようとする。集中しているのか、雑音を遮断したいのか、それとも時間をやりすごしているだけなのか。

 こうした解釈は、多くの人が思っている以上に重要である。なぜなら、音楽を聴いている人が実際に何をしているかにかかわらず、周囲がその人をどのように扱うかを左右するからだ。

職場で音楽を聴くという行為の曖昧さ

 職場で音楽を聴く行為が、社会的な観点から見て興味深いのは、本質的に曖昧だからである。人は集中するため、感情を整えるため、あるいは単に楽しむためなど、さまざまな理由で音楽を聴く。しかし、同僚はその人がなぜ音楽を聴いているのかを直接知ることができないため、自分なりの解釈でその空白を埋めようとする。

 人が音楽を聴く理由について、同僚の解釈は大きく2つのいずれかに行きつくのではないかと、筆者らは考えた。一つは「楽しんでいる」「時間を潰している」など、娯楽目的という解釈。もう一つは「集中しようとしている」「音楽が集中を高める助けになっている」など、生産性向上のためという解釈である。

 この2つの解釈は、社会的に大きく異なる結果をもたらすのではないだろうか。観察者が、誰かが娯楽目的で音楽を聴いていると認識した場合、その人は仕事から気持ちが離れていて、十分に集中しておらず、仕事に真剣に取り組んでいないと受け取るかもしれない。一方で、同じ行動が生産性向上のためと認識された場合、逆の印象を与える可能性がある。

 筆者らの核心的な問いは、こうした解釈が、音楽を聴いている人の仕事への取り組み(ワークエンゲージメント)に対する同僚の認識をどのように形づくるのか、ということだった。そして、その認識は、同僚が音楽を聴いている人にどのように接するか──支援を申し出るのか、それとも無礼な態度を取るのか──に影響するのかも知りたいと考えた。

 同じくらい重要なのは、本人が実際には仕事に真剣に取り組んでいても、こうした影響が生じるのかという点である。もし影響が生じるなら、職場で音楽を聴いている人は、音楽が自分に与える効果ではなく、周囲が自分の行動をどう解釈するかによって、社会的な代償を払うことになる。