多国籍企業よりも地元小売企業に一日の長

 急成長する新興国市場に自社製品を売り込むために、綿密なマーケティング計画を練り上げた。さて、実際に自社の商品が小売店の棚に並べられた時、それを目の前にした新興国市場の消費者の反応を予測できるだろうか。

 見当もつかないとすれば、競争相手には勝てない。特に地元資本のライバルは、新興国市場の消費者がどう考え、何を必要とし、何を求め、どのように買い物をするのかを知り尽くしている。

 多国籍企業は、欧米以外の顧客について理解が遅れている。サッカーが国民的スポーツであるアルゼンチンで、野球のバットを売り出して笑い者になったり、庭のない南米の住宅地でガーデニング用品を売ろうとしたり、といった具合である。