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貧困顧客市場を攻略せよ
目に見えない一線を越えて、新興国市場を形成する経済ピラミッドの底辺に足を踏み入れると、さまざまな落とし穴が待ち受けている。商業的な成功だけを求めて新市場への進出を図る企業は、国際的水道供給会社アグアス・デル・チュナリがボリビアで遭遇したように、市民社会と政府の双方から強烈な抵抗を受けることが多い。
一方、このような貧困層(base of the pyramid)相手の事業を小規模にとどめて、ひっそりと活動しようとすると、ラテンアメリカやアジアで浄水器事業を展開したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が経験したように、利益がきわめて乏しいものになる。
たとえ、手始めに社会貢献に注力し、利益は二の次と考えたとしても、貧困層を相手にするのはリスクが大きい。儲けが出ないプロジェクトは、マイクロソフトが経験したように、最終的にはCSR(企業による社会的責任)部門へと追いやられてしまう。