顧客の創造力を引き出して感情を捉える
イメージやメタファーを使って顧客の感情を捉えるアプローチは、見方を変えれば顧客の創造力を引き出すアプローチでもあります。この性質をより積極的に活用するのがジェネレイティブテクニックです。このテクニックでは、トピックに関するコラージュやストーリー、プロトタイプなどを顧客に作ってもらい、出来上がった作品を発表してもらいます。出来上がった作品だけでなく、その過程における参加者の会話や行動、さらに出来上がった作品について参加者が語る物語が重要な分析対象になります。
一般的に創造的な作業は意識のハードルを下げ、無意識を活性化させるといわれています。何かを作るプロセスを通じて参加者は自分自身の感情と深く向き合い、言葉にならない感情を表出することができるようになります。1人もしくはペアで実施する場合は数時間から半日、グループで実施する場合は半日から1日程度の時間をかけます。
セッションのポイントは、まず過去の思い出や現状の経験について表現してもらい、その上で未来の理想の経験を表現してもらうことです。セッションを通じて顧客が新しいパラダイムを獲得できたかどうかが、ジェネレイティブテクニックの成功基準になります。

トピックを設定する
イメージやメタファーを使ったインタビューや、ジェネレイティブテクニックのポイントは、顧客の思考枠組みに沿って経験を捉えることです。あらかじめ質問を確定してしまうのではなく、その場の流れの中でバイアスを排除したオープンエンドな問いを重ねていきます。
一方、深いレベルで経験を理解するためには、焦点を当てるべきトピックをひとつに絞り込んでおく必要があります。トピックの設定のしかたで得られるデータがまったく変わってしまうため、慎重に検討します。例えば、以下の表のような視点でさまざまなトピックの候補を出し、検討していくのがいいでしょう。


1.言葉ではなくイメージを介して感情を捉える
2.メタファーを手がかりに隠れた意味を探索する
3.顧客の創造力を使って未来の夢を捉える

あなたの組織でイメージやメタファーを使ったインタビューを採用するとしたら、どのようなトピックが考えられるでしょうか。以下の表を使ってトピックを検討してみてください。
