市場調査の結果がよかったので、気を良くして販売してみたがさっぱりだった。こんな経験をしたことのある人は多いだろう。消費者は悪気がなくウソをつくのだ。彼らの本当の意思を確かめる4つの簡単なテストを紹介する。

 

 あるNPOで働く読者がメールをくれた。「我々の新しいサービスは、消費者調査では抜群の成績を収めました。調査対象の5%以上が、購入する意思があると回答したのです。そこで我々は新サービスの提供を開始しました。でも結果は、期待外れでした」。

 顧客はウソをつく、ということを覚えておいてほしい。悪意があってのことではないが、ウソをつくのだ。この読者は、高い代償を払ってそのことを学んだ。

 この読者は次のアイデアについても、テスト販売による調査を希望していた。しかしそれを計画して実行する方法に悩んでいた。

 テスト販売による学習 は、無理に複雑にする必要はない。以下のような、4つのシンプルな選択肢が考えられる。

1.潜在顧客に、何らかの申し込みを促す

 最近我々は、ある家電メーカーのために斬新な方法を開発した。あるアイデアが商品化されるまでにはおよそ18カ月かかり、膨大な投資が必要とされるとしよう。そうするだけの価値がある、と企業はどうやって判断すればよいのだろうか。そこで開発チームは実物大の模型見本をつくり、消費者に見てもらうデモンストレーションを行った。そして少額の参加料を払えば、ベータ版の準備が整ったときに「社内限定のベータテスト」に参加できる、とその場で勧誘したのだ。これは消費者の興奮が、わずかでも実際にお金を支払うほどのものかどうかを判断する優れた方法となった。