Step1◆時間軸で考える

顧客の行動を時間の順序で整理してみましょう。顧客の基本的な行動を分解して、それぞれの項目別にデータを押さえて、何が成果につながっていて、何が成果につながっていないかを確認していくのです。

 今回のケースでは、すでに対象顧客を決めているので、最初に確認すべきことは、対象顧客が求めている商品開発をしているか、あるいは調達できているかです。業種がアパレルですから、定番品とトレンド品に分けて考える必要もありそうです。さらにトレンド品については、その年の流行色やデザインが売行きに大きな影響を及ぼすでしょうし、もちろん提供する商品の価値に見合った価格設定も重要な要素です。

 ターゲット顧客に合わせた商品調達ができたとして、次に重要なことは? 来店したターゲット顧客に対し、店舗にはニーズにマッチした商品を取りそろえてあることを伝え、購買につなげる活動がありますね。すぐに思いつくのは宣伝広告でしょう。ターゲット顧客を決めていれば、マス広告よりも対象顧客層に訴求できるメディアを使うのが効果的です。このケースでは、年代を絞った女性向けファッション誌に掲載することが良さそうです。

 DMや電子メール、電話をつかった既存顧客への案内は、宣伝広告以上に効果があるでしょう。この場合も、顧客リスト上の全顧客に案内するわけではなく、顧客の購買履歴から重要顧客、また過去の購買パターンから、今季商品に関心を示してくれそうな顧客を選び出すなどの工夫が必要です。普段の接客時に、来店した顧客に関して、新規か既存か、また来店のきっかけなどを聞き出すなどして記録に残し、顧客の購買行動を促進する活動に活かすのです。