イノベーションの新時代が到来している

 ここ数十年でパラダイム・シフトといえるようなイノベーションを起こした大企業を挙げてみてほしい。アップルがある。それから──そうやはり、アップルだ。

 ほとんどの企業はただ規模が大きいだけで、慎重すぎ、ゲームを変えるような発明が出てこないというのが、大方の見方である。代わりに我々が目を向けるのは、ビル・ゲイツ(マイクロソフト)、マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン(グーグル)といった貪欲な起業家である。

 ベンチャー・キャピタルの支援の下、機敏で機転が利き、情熱的な起業家たちが台頭してきた。このことは大企業の緩慢なイノベーションを時代遅れにしたように思える。少なくともゆっくりと前進する世界でしか通用しないものにしてしまったのではないか。