1999年、オークション・サイト〈ビッダーズ〉のサービスから始まったディー・エヌ・エー(DeNA)。2005年に東証マザーズ上場、2007年に東証1部と、瞬く間に〈Mobage〉で世界展開を図る大企業となった。しかし一般には、ほとんどのベンチャー組織が、その成長に伴って成熟化を迎えてしまうことが多い。はたして同社は、起業家精神を保ち続けることができるだろうか。DeNAは「エターナル・ベンチャー」をキーワードに、規模が大きくなってもベンチャー体質を残し続けようと、さまざまな施策を打っている。そのためには、「ヒト」ではなく「コト」に集中する組織であれ、と南場智子氏は説く。

「すべき」より「やりたい」
「正しさ」より「情熱」

編集部(以下色文字):一般にいわれる優秀な人と、アントレプレナーシップを持った人との違いは何でしょうか。

南場(以下略):それは「すべき」と「やりたい」の違いではないでしょうか。アントレプレナーシップを持つ人は、「やりたい」という強い意志を持つ人です。企業にとって「やりたい」と言ってくる人は非常に大切です。