企業単独では手に余る課題のなかに、大きなビジネスチャンスが見つかることがある。課題が複雑ゆえに、その問題解決には、内外の利害関係者を広く巻き込む必要があるが、それぞれの足並みをそろえることは難しい。
 しかし、そうしたなかで利害関係者を結びつける場をつくり、うまく活用することができれば、それは企業にとって競争優位の源泉となる。
 そこで筆者らが提案するのが、共創(コ・クリエーション)のアプローチである。単なる連携の枠を超えて、変化に対応し有機的に発展するエコシステムを形成するものだ。
 本稿では、医療機器を扱うベクトン・ディッキンソンの事例を基に、共創プロジェクトの導入や展開方法について紹介する。