マーケティングにおけるデータ活用は、「ビッグデータ」登場以前からすでに非常に様々な領域で行われており、市場機会の発見、事業戦略策定、商品開発、マーケティング投資最適化、ブランド・ポジショニング、価格戦略策定、広告効果検証、CRMなどの、マーケティング活動のあらゆる領域に及んでいます。
「ビッグデータ」もマーケティングの様々な領域で活用可能であり、マーケティングの意思決定やマーケティングのアクションの最適化、チャネル最適化、CRM他様々なソリューションを進化させています。
「ビッグデータ」の特徴として、データ量の大きさ(Volume)、データの多様性(Variety)、データの発生速度(Velocity)という点が挙げられますが、マーケティング活用という点から捉えると、データ量がもたらす分析精度の向上とともに、データの連携・融合によってリッチ・プロファイル化が実現できること、アクセスが可能なオーディエンスデータとしてユーザーや見込み客へのアプローチが可能であること、リアルタイムにデータが生成され、マーケティング施策に活用されることなど、デジタル・マーケティングの領域でのイノベーションが急速に進んでいます。
チャネルを超えて1人の顧客の行動を把握する技術や、1人ひとりの嗜好や行動をより適切に把握して個客に対してアプローチする可能性や、リアルタイムにマーケティング・アクションを最適化させていく可能性が、デジタルの領域から拓かれ、その進展とともに拡大しています。
但し、マーケティングへのデータの活用を「ビッグデータ」のみに偏重して捉える必要はありません。重要なことは、マーケティングの目的や、解決すべきイシューに応じて、多様なデータ群を統合的に分析し、活用していくことであり、「ビッグデータ」のみならず、目的に即して多様なデータを使い分け、あるいは統合的に分析していくことです。
また、分析手法に関しても各種の統計解析やデータ・マイニング、機会学習、あるいはマーケティング・ミックス・モデリングや、Webアナリティクス、アトリビューション分析、ソーシャル・リスニングなどの各種分析手法など、マーケティングの目的や課題に応じて適切な方法を駆使していくことが重要であり、データという素材を料理する分析力を鍛えていくことが肝要です。
電通では、ビジネス・インテリジェンスを活用したマーケティング領域のソリューションを3つのレイヤーで整理しています。
1.マーケティング・ストラテジー領域のソリューション
ビジネス・インテリジェンスを活用したマーケティング・プロセスの革新、マーケティング投資の最適化、KPIマネジメントによるマーケティング意思決定支援。
2.統合マーケティングPDCA領域のソリューション
マーケティング活動の実行を、統合的なデータ分析、PDCA業務を通じて改善し、最適化することによるマーケティング・パフォーマンスの向上。
3.マーケティング・プラットフォームのソリューション
データ統合によるマーケティング活動の実行やPDCAを実現するプラットフォーム構築。
クライアントのマーケティング活動の本質を理解し、戦略構築から実施、運用までを支援しています。また、マス・マーケティングからCRMまでの統合的な課題解決のために、クライアントの保有するデータや電通独自のデータ、あるいは第三者のデータを統合的に分析・活用したインテリジェンスによって、クライアントのマーケティング活動を支援するソリューションを開発・提供しています。