-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
競争優位は長期間持続しない
戦略は行き詰まっている。企業はあまりにも長い間、持続する競争優位を確立しなければならないという概念にとらわれ続けてきた。この概念はほとんどの戦略本の核となり、ウォーレン・バフェットの投資戦略の基礎や、「世界で最も称賛される企業」に名を連ねる各社の成功の原動力にもなってきた。
私は何も、この考え方が間違いだと言いたいわけではない。他社が真似できない武器で戦えるならば、それはもちろん素晴らしいことだ。現在でもゼネラル・エレクトリック(GE)やイケア、ユニリーバ、ジュリアス・バーガー・グループ、スイス・リーなど、確固たる地位を築き上げて、かなりの期間それを守り続けている企業は存在する。
だが、本当に持続する優位性を築ける企業は稀である。競合他社や消費者の動向はあまりにも予測が難しく、業界も刻々と変化しているためだ。その背後に働いているのは、デジタル革命、世界の「フラット化」、参入障壁の低下、グローバリゼーションといったお馴染みの力である。