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大手企業でも実は同族企業は多い
多くの人にとって「同族企業」といえば、地場の中小企業や後継者をめぐる争いなどのよくある問題が頭に浮かぶ。たしかにそうした同族経営による企業は多いが、それでは同族企業が世界経済で果たしている強大な役割を言い表せない。同族企業には、ウォルマート・ストアーズ、サムスン、タタ・グループ、ポルシェといったさまざまな企業が含まれている。それどころか、ボストン コンサルティング グループの分析によれば、売上高が10億ドルを超す全企業の30%以上がそうした同族企業である。
世間一般には、同族企業はその独自の株式保有構造のせいで、一般的な上場企業にはない長期的な方向付けがしやすいとされる。しかし、それ以外に、同族企業ならではの特徴はほとんど知られていない。長い目で見ると他の企業よりもおしなべて業績がよいとの調査結果もあれば、正反対の結果を示す調査もある。
この疑問を解決するため、我々は、エコール・ポリテクニーク経営経済研究センターでアソシエート・リサーチャーを務めるソフィ・ミニョンとともに、売上高10億ドル以上の同族上場企業149社をリストアップした。本社所在地はアメリカ、カナダ、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、メキシコ。いずれの企業でも、一族はかなりの比率の株式を保有し(ただし必ずしも過半数ではない)、一族のメンバーは取締役会にも経営にも積極的に関わっていた。