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かつてIBMは時機を逃さず事業の構造改革を断行し、今日でも高い株主価値を誇る有力企業であり続けている。一方、ルネサス エレクトロニクスは優秀な人材を抱えていながら「失われた10年」と揶揄されるほど経営不在の時期が続き、いまや会社解体に近い過酷な合理化と向かい合うはめになってしまっている。いったい何が道を分けてしまったのか。そのためにはまず、会社とは何かを知らなければならない。そしてよい会社とは何かを考えることとは、よい経営とは何かを考えることに他ならない。株主中心モデルと従業員中心モデル、つのモデルを統合し、株主から信頼され、従業員から誇りに思われるよう、企業を持続的な発展に導くのは経営者の責務である。
ルネサスの道程に見るよい会社とは何か
よい会社とは何だろうか。それを考えるために一つの会社に焦点を当ててみたい。
ルネサス エレクトロニクス。日立製作所と三菱電機の半導体部門が統合されて発足したシステムLSIおよびマイコンの会社であり、そこに後年NECエレクトロニクスが合流されて現在の業容がある。