-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
組織の「提供する人」と「利用する人」
組織のメンバーは日々「提供する人(ギバー)」として行動するか、「利用する人(テイカー)」として行動するかの判断を下している。「提供する人」として行動する時は、見返りを求めずに他者に貢献する。手助けをしたり、知識を授けたり、有益な人物を紹介したりする。「利用する人」として行動する時は、自身の目的のために他者に貢献させようとする一方で、自分の専門知識と時間はしっかりとガードする。
企業が「提供する」という行動を奨励することはとても重要である。他者の目標達成にすすんで力を貸そうとすることは、効果的な協力関係やイノベーション、品質改善、優れたサービスの根幹となるからだ。職場でそうした行動が当たり前になれば、その効果はたちまち表れる。
アリゾナ大学准教授のネイサン・ポザコフ率いるチームが実施した、画期的なメタ分析を見てみよう。彼らは組織行動学分野の38件の研究を分析した。合計で3500以上の事業部門と多様な業界を対象とする研究である。分析の結果、社員による提供する行動と事業の成果とが、驚くほど強く関連していることが示された。