――東洋経済オンラインが動画コンテンツを制作する上で、どのような層を狙っていくのでしょう。
現在、テレビのように高いコストで制作して数百万~数千万を狙うコンテンツとユーチューブのように低いコストで数百~数千を狙う2極しか存在していません。その中間ビッグニッチの数万~数十万を狙うプレイヤーが出てきても面白いのではないでしょうか。我々はそこを攻めるつもりです。
特に経済メディアは競合が少なく、大きなところでは日本経済新聞社とテレビ東京しかない独占状態です。この点も、東洋経済オンラインにとってはチャンスです。
動画コンテンツをつくる際に、目玉にしたいと考えているのが、スタートアップチャネルです。まだまだ日本ではこのテーマのコンテンツが不足しているので、起業前、起業後、アーリーステージの部分を取り上げた番組を制作し、その情報を提供していきます。スタートアップのブームは既に来ており、関心は非常に高いです。多少の浮き沈みがあっても、この関心の高さは長期的に続いていくと考えています。
日本経済新聞やワールドビジネスサテライトは年齢が高い層を狙っています。東洋経済オンラインがターゲットとしているのは20代から40代前半までのビジネスパーソンです。日経のターゲットとしていないとこで、差別化しなければと考えています。また、いまの30代後半から雇用概念や価値観が変わってきており、その人たちの価値観をトレースするという上でも、この分野に力を入れることは意味があると思います。
――戦略が一貫していますね。競合がいない空白地帯を一気に攻めようと。
ただ、動画をやるだけでは面白くないですよね。競合が少なく、かつ自分たちだからこそ出来るものを提供したいんです。我々は大きい母体ではありません。とにかく空いている場所、だれもやっていないけれど市場が潜在的に大きくて面白いところを狙うように意識しています。
日本で動画はまだ誰もしっかりやっていない、スタートアップはしっかりやってない。だからそこに出ていく。単純明快ですよ、それが儲かりそうだって(笑)