――動画をマネタイズする仕組みはどのようにお考えですか。
有料課金は将来考えるかもしれませんが、まずは動画の再生回数に伴う広告収入やスポンサー収入です。すぐに黒字は無理かもしれませんが、相当な潜在需要はあります。いい場所があれば出したいというクライアントは多く存在します。現在、動画広告はユーチューブがありますが、どのような動画に自分たちの広告が載るか、コントロールできないことにクライアントは不安感を抱いています。
そのような要望に対して、我々も含めた活字メディアは、まだよい動画コンテンツを提供できていません。くわえて、テレビはあまり動画広告へ積極的に参入しようとはしていませんし、ネット企業はプラットフォームに徹しています。
そのため、ある程度信頼性の置けるメディアが、独自に動画コンテンツを作成して、その動画コンテンツに広告を載せられるのであれば載せたい、という顧客は意外に多いのです。
――佐々木さんはお聞きしたことに対して、何でも答えてくださいますね。
まず、まだ競合するというフェーズではないです。動画に出て行ってくれる人が増えないと、話にならないです。他のメディアの人が、この話を聞いて、面白そうだな、やろうかなと追従してきてくださった方が、マーケットが出来るのでありがたいです。隠すほどの話でもないですよ(笑)
それにやると公言すれば色々なものが集まってきます。東洋経済オンラインもそうですが、今度の動画コンテンツの制作も色々な人と組み、外部に協力してくれる人を求めていきます。我々はパートナー戦略なので、自分たちが強いところ以外はやりません。
何をやりたいか考えるのも大事ですが、実行できるかどうかの方が重要です。私がいまお話していることは、少し頭を使って調べれば、すぐにわかるようなことばかりです。スピードと実行力、それを面白く出来るセンスの方が、重要になってきますね。
――今後、動画コンテンツを含めて、東洋経済オンラインのサイト全体のマネタイズはどのようにお考えでしょうか。
ポイントが3つあります。一つがDMPに代表されるようなテクノロジーを使って広告単価を上げること。もう一つが動画です。すぐには大規模なビジネスにはならなくとも、数年後には動画からの収入が一番大きくなる可能性もあります。3番目がネイティブ広告(ブランドコンテンツ)です。ネイティブ広告で動画を使うことも考えられます。この3つがサイトの収益を上げる際のカギとなってくると思います。これら3つに共通して重要になるのがスマートフォンです。今後は、スマートフォンのマネタイズにも力を入れていきます。
(後編は1月9日公開です。東洋経済オンラインが目指すビジョンについて伺います。)