-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
緻密な戦略だけでは
新興グローバル企業に勝てない
新興国市場から生まれたグローバル企業(以下「新興グローバル企業」)の多くが驚くべき能力を発揮して、先進諸国の企業が避けたり、諦めてきたりしたビジネス上の困難を、乗り越える力があることを証明しつつある。彼らの特性は、いままで先進国企業が事業開拓に苦戦してきた地域において、事業拡大への新たな道を切り開いたことだ。新興グローバル企業と先進国企業との競争がますます強まれば、この特性が彼らの強みとなるだろう。
新興グローバル企業は、ライバルの先進国企業には理解できない何か秘密の戦略的優位を隠し持っているのだろうか。答えはノーでありイエスだ。
我々がアジア、中東、ラテンアメリカを本拠地とする18の企業を徹底的に調査したところ、これら新興グローバル企業には何も共通する戦略が見られなかった。それどころか、彼らの多くは戦略を重視していない。少なくとも北米や欧州、日本といった国々のビジネス・スクールや重役室で教えられたり、信奉されているような類の戦略は重視していない。