言葉の定義をはっきりさせる

「ビジネスモデル」は、インターネット・ブームのおかげで大流行した言葉の一つである。この言葉は、作家のマイケル・ルイスに言わせれば「いい加減なプランにもったいをつけるため」に、毎日のように引き合いに出される。

 企業には、戦略も、特殊な能力も、それどころか顧客すらも必要ではなくなった。唯一必要なのは、ウェブを利用したビジネスモデルだけだ。それも、大ざっぱで、利益の見通しもはっきりせず、未来を漠然と示すものでよい。

 投資家から起業家や経営者に至るまで、たくさんの人がこの言葉に踊らされ、夢を買い、そしてやけどした。やがて、当然のことながら反動が起き、ビジネスモデルのコンセプトは、ドットコムの名称と相前後して流行遅れになってしまった。