3.収益化に向けて、現実的な計画を立てる

この時点で、多くの企業が詳細な財務予測を準備し始めるだろう。年間に何件の売上げが見込め、提示価格はどのくらいで、年間での成長率はどの程度か、といったものだ。それが理にかなっている場合もあるが、過度の期待にすぎない場合もある。収益化の可能性は、それほど大きくないかもしれないのだ。収益の可能性に見合ったやり方でデータ提供事業を実行するには、どうすればよいのか。

●時間と努力を注ぎ込む意義があり、追求に値する規模の目標値を設定する。イノベーションを支援するコンサルティング会社のイノサイトは、新規事業の目標値として「5年間で5000万ドル」が妥当であるとしている。あなたの会社では異なるかもしれない。

●「その目標を達成するには、何をすればよいか」を考える。データはさまざまな形でビジネスにできる。たとえば、年間契約による定期的な情報提供、1回限りのコンサルティングや統合サービス、顧客に合わせたコンテンツ開発、調査とアドバイスのサービス、新たなアナリティクスの開発などがある。最も実行可能なのはどれかを考えよう。そして競合企業が提供する類似のサービスと、その価格体系を考慮する。その結果、あなたが決めた目標値が妥当でないと気づかされる場合も多い。

●データが新規の売上げ以外の価値をもたらすかを考える。最初に設定した1億ドルの目標値は現実的でないが、1000万ドルなら達成できそうだ、という結論に達したとしよう。この場合、中止を決めるべきだろうか。それは状況次第である。新規事業としての売上げの絶対額は小さいとしても、データに関するその能力は現在の自社の中核事業を補完できるかもしれない。中核事業の売上げを大きく高めるのであれば、データの価値は中核事業とセットで考えてもよい。