A/Bテストの活用

 当社のサイトで最もトラフィックの多いページの1つが、検索結果だ。当サイトでは、簡単な実験をしてユーザーからのフィードバックを得るための「ラボ」と呼ぶ領域を設けている。数年前、そこで検索結果をモザイク表示する実験を行った。定性テストではモザイク表示のデザインが非常に好評だったため、シャッターストックの実際のユーザーエクスペリエンス(ユーザー経験、UX)のなかでA/Bテストを実施した。A/Bテストとは基本的に、異なるユーザーに異なるユーザーエクスペリエンスを提示して、その違いの影響を測定するものだ。

 実験内容の一部と、得られた結果を以下に示そう。

●画像サイズ:数種類の画像サイズを試し、どのピクセル数が最も適切かを割り出した。

●新規顧客:当サイトを初めて利用する顧客が、コンバージョン(ウェブサイトの目的に対する成果)を増大させるかどうかを観察した。新規の顧客は、既存顧客と異なる行動をするため、それを考慮する必要がある。既存顧客の中には、変更を嫌う人もいる。

●ビューポートのサイズ:サイト上で顧客が使用した表示領域を追跡した。これは顧客を理解する重要な尺度となった。

●透かし:画像上の透かし(ウォーターマーク)の表示と非表示を試し、邪魔になるかどうかを判断した。

●ホバー:ユーザーが画像上にマウスポイントを置いた時のホバー(表示されるカーソルの種類が変わる)の動作を実験した。

 テストを行う前は、画像に透かしを入れないほうが視覚的にすっきりするのでコンバージョンが増えるだろうと確信していた。しかしテストの結果、直感に反し、透かしを取り除くと逆効果が生まれることがわかった。

 数多くの試験を実施した結果、コンバージョンを増大させる2種類のデザインに行き着いたため、再度テストを実施して1つに絞り込んだ。今後も検索画面のグリッド表示をテストし、顧客のために定期的に改善を続けていくつもりだ。