-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
どうすればブランド力を収益化できるのか
日本には世界的ブランドを持つ企業がいくつもある。だが残念ながら、名前を聞けばだれもが知っている有名ブランドであっても、そのブランド力に見合った収益をグローバルに上げられている企業はまだ少ない。
数年前までのサンリオも同じような課題を抱えていた。その苦しい状況を打開したのが、〈ハローキティ〉で実施した、オープン・イノベーションに基づくグローバルなブランド拡張戦略である。
〈ハローキティ〉は1974年に生まれた。以来、40年間にわたり、サンリオを代表するブランドとして国内外で高い評価を受けていたものの、特に海外での収益化には苦戦を強いられていた。
しかし、現在のサンリオの営業利益を見ると、この5年間で約3倍の210億円(2014年3月期)に達し、そのうち98%が海外からのものである。〈ハローキティ〉を世界的ブランドとして再定義し、グローバル・ブランド戦略を展開することで、その課題を解決したといえる。
筆者は、2008年にサンリオに入社してから、一貫して〈ハローキティ〉のブランド戦略に関わってきた。そこで本稿では、〈ハローキティ〉がグローバルなブランド拡張を実現するまでの方法論を記す。
〈ハローキティ〉ブランドは業種・業界、そして国境も超える
〈ハローキティ〉はこれまで、さまざまな業種・業界と提携してきた。H&Mのようなアパレル業界、みずほ銀行のような金融業界、三菱自動車のような重厚産業、珍しいものでは世界的ロック・バンドのKISSやバーチャル・アイドルの〈初音ミク〉、台湾の産婦人科病院など、2000件を超える企業や組織とグローバルに事業を展開してきている。
なぜ、他社との提携にここまで積極的なのか。それは業種・業界の間に存在しているキャズム(深い溝)をいっきに飛び越えて巨大市場に参入でき、かつ自社ブランドをリ・ポジショニングできるからだ。さらに業種・業界だけではなく、国境というキャズムすらも容易に飛び越えることができるからである。サンリオとH&Mが提携したケースを基に考えてみよう。
サンリオはH&Mと提携し、〈ハローキティ〉のライセンス商品を同店で販売することになった。〈ハローキティ〉が一般的に分類される女児玩具の国内市場規模は約400億円、玩具市場全体でも約7000億円(ゲーム等を含む)に留まる。これに対して国内アパレル市場は約9兆円である。H&Mと提携して彼らの製品・サービスに〈ハローキティ〉を使ってもらうことで、既存市場の数十倍~数百倍の市場に参入を果たすことができるのだ。



