ハーバード・ビジネス・レビューは昨年「世界CEOランキング100」を発表した。あくまで企業の財務的業績で評価したランキングから、いま経営者に求められているものが浮き彫りなる。
100人中日本人は2人
昨年末、Harvard Business Reviewでは、世界CEOランキング100を発表しました。日本版である本誌では、最新号にその順位と記事が紹介されています。このランキングは、2013年末時点でS&Pグローバル1300指数に入っている企業を対象に、主にTSR(総株主投資利回り)と時価総額の増加分を中心に評価したものです。
詳細は本誌に譲りますが、つまり財務的パフォーマンスを上げたCEOのランキングとなっています。ちなみに上位3人は、ジェフ・ベゾス(アマゾン、1位)、ジョン・マーティン(ギリアド、2位)、ジョン・チェンバース(シスコ、3位)となっています。
日本企業では、柳井正さん(ファーストリテイリング、11位)、御手洗富士夫さん(キヤノン、45位)、のお二人がランク入りしています。経済力が落ちたとは言え、世界のGDPで8%のシェアを有する日本から2人というは、寂しい限りです。
このランキングの評価基準から、欧米の経営者を見る指標が「結果のみ」と考えるのは早急のようです。なぜこれらの指標に限定したか。記事の中では、株主以外の従業員や顧客などのステークホルダーの重要性に触れつつ、業界や国を横断して比較可能な数値データがなかったことが示されています。また財務成果についても短期的な変動を抑え、可能な限り長期のパフォーマンスに着目しています。