協働スペースか、
個人スペースか

 オープン型オフィスは、近頃多くの批判にさらされているが、それでも依然として、ワークプレース設計の主流である。コラボレーションを促し、相互学習を奨励し、確固たる組織文化を育成できるというのがその理由だ。考え方は、たしかに正しい。だが残念なことに、うまく効果が上がらず、コラボレーションを支えることさえできていないことが少なくない。

 コラボレーションには自然なリズムがある。まず、単独あるいは2人くらいでアイデアの創出や情報の処理に集中する必要がある。その後、グループで集まってそれらのアイデアを膨らませたり、共通の見解を発展させたりする。そして解散すると再び個々に、次の段階へと移行する。コラボレーションすべき仕事が労力を要するものであればあるほど、一人になって考察したり充電したりする時間も必要になる。

 この数十年、企業はコラボレーションの支援に最適な、協働スペースと個人スペースのバランスを模索してきた。