地域間でさらに異なるのは、ミレニアル世代がリーダーに求める資質だ。たとえば北米、西欧、アフリカでは、回答者の少なくとも40%が「従業員に権限を与えてくれる」マネジャーを希望すると答えた。一方、中欧・東欧と中東でこれが重視された割合は12%にすぎない。その理由については推察の域を出ないものの、依然として色濃く残る独裁的な統治傾向の影響ではないかと考えられる。社会における独裁体制は、中欧・東欧では最近まで一般的であり、中東ではいまだ随所で見られる。
中欧・東欧の回答者がマネジャーに最も求めるのは「技術/職能の専門知識」で、58%だった(他の地域では30%かそれ以下)。一方、アジア太平洋と中東では、どの資質も30%を上回ることはなかった。
●ワーク・ライフ・バランスの意味は一様ではない
ミレニアル世代はワーク・ライフ・バランスを強く求めているが、これは「仕事と家庭の両立」というよりも「仕事と自分の両立」という意味合いが強い。彼らは自分自身のための時間と、自己表現の場を求めている。ワーク・ライフ・バランスの定義として全体で最も回答数が多かったのは「私生活での十分な自由時間」(57%)で、「勤務時間の柔軟性」(45%)と「従業員への正当な評価と敬意」(45%)がこれに続いた。
地域差が見られた回答に注目してみよう。中欧・東欧と西欧のどちらも、「残業手当」の割合が比較的高く(それぞれ52%と45%)、労働基準の問題への大きな関心が表れていた。北米では、59%が「勤務時間の柔軟性」を選んだが、これはおそらく自主性を重んじる志向の反映と思われる。