一方で北米では、「昇進が早まるのであれば長時間労働もいとわない」という回答者が42%もいた。この傾向は中南米でも同じく42%で、アフリカでは最も高く51%に上った。しかし、「より良いワーク・ライフ・バランスを得るためなら、収入やステータスの高い仕事を辞めてもよいか」という問いに対しては、イエスと答えた回答者はほとんどの地域で半数近くもいた。中欧・東欧はこの例外で、42%がノーと答えた。

 アジアのミレニアル世代のほとんどは「私生活での十分な自由時間」を選んだが、この背後には国によって異なる実態がある。シンガポールでは回答者の76%が「個人」で過ごす自由時間を最重視したのに対し、タイではわずか29%であった。一方、インドでは42%が「勤務条件の柔軟性」を選び、ベトナムでは76%が「仕事以外の活動(スポーツや文化的イベント等)が提供されること」を選んだ。さらにアジアの特徴としては、欧米のミレニアル世代よりも社会的な結びつきを重視しているようだった。たとえば、友人や家族からのサポートに頼る傾向がより強い。

 人生における優先事項については、世界各地で同様の傾向が示された項目もあった。たとえば「家族と時間を過ごすこと」は、調査対象のどの地域でも最優先事項に含まれていた。そして、意外かもしれないが、「より良い社会の実現のために働くこと」は、いずれの地域でも大多数にとって優先順位は高くなかった。