資産や技能を他者と共有して稼ぐ、シェア(共有型)経済が米国で成長している。この市場で、新進の起業家たちが「シェアビジネスを営む個人を支援する」という新たなビジネスモデルを築いているという。
シェア経済(シェアリングエコノミー)とは、すでに持っている資産(家や車など)を貸し出すことで「副収入」を得る手段にする、という意味に捉えられることが多い。だが現在、シェア経済における専門職業化が進んでいる。つまり、シェアビジネスを副業ではなく本業とする人が増えているのだ。この変化の波に乗じて、一部の抜け目ない起業家たちはかつてのシェア経済ではありえなかった存在、つまり「中間業者」としての地位を築いている。
これらの中間業者は、シェア経済の急激な発展を期に市場を見出すようになった。ニールセンが世界60カ国の3万人を対象に行った最近の調査によれば、自身の資産をシェアまたは貸し出すこと、あるいは他者の資産を借りることを通してシェア経済への参加を望んでいる回答者は3人に2人(68%)に上った(英語記事)。
中間業者として台頭するベンチャー企業とは何者で、どんな事業を築いているのだろうか。以下では、特に顕著と思われる3つの業態を紹介しよう。すなわち「シェア支援」、「運営支援」、そして「連帯支援」である。
1.シェア支援:資産の選択と活用を最適化する
シェア支援者は、需要が多い大都市で「供給者に貸し出すための資産」を持つ。たとえばBreeze(ブリーズ)は、会員に車をリースし、会費と毎週の手数料を受け取る。会員はその車で独自にシェアビジネスを運営できる。Lyft(リフト)のドライバーにもなれるし、Instacart(インスタカート)の買い物代行やHomejoy(ホームジョイ)の出張清掃などもできる(3つ兼業もできる)。しかも従来のリースと違い、2週間前に通知すればレンタルの契約をキャンセルしてよい。
シェア支援には他にも、Yard Club(ヤードクラブ)のようなユニークな例がある。同社は建設機械を所有する建設業者と契約し、機械を第三者(同社の慎重な審査を経た会員)に貸し出すための仲介をする。保険も同社が提供する。会員は時間単位で機械を借りることができ、自身の仕事のために、あるいはTaskRabbit(タスクラビット)のような別のシェア経済運営者の仕事をするために利用できる。