●すべてをパーソナライズしよう

 i世代は、自分向けにパーソナライズされたメッセージをごく当然のように望んでいる。

 SAとPPMGがボストン、ニューヨーク、ロサンゼルスで実施したフォーカスグループ調査によると、i世代はブランドに対して、自分を名簿上の名前や番号ではなく1人の人間として認識するよう求めている。「学生の皆さんへ」や「親愛なるお客様へ」で始まる一括メールを何度送られても、ただちに無視する。ほとんどの情報をオンラインでシェアしており、ブランドが自分に接触したければそれらの情報を活用するのが当然だと思っている。

 そんなi世代に個人的なレベルでリーチするためには、彼らがソーシャルメディアでシェアしたがる情報(興味関心、趣味、音楽、スポーツなど)に注目し、メッセージのパーソナライズに役立てるとよい。

 ●ソーシャルメディアでつながろう

 i世代にとってソーシャルメディアは、友人との接触手段に留まらない。フェイスブック、ツイッター、ユーチューブ、インスタグラム、ピンタレスト、スナップチャットは、情報源としても活用されている。

 たとえば大学への出願について、i世代の60%が「ソーシャルメディアを介した学校とのやり取りは便利と感じた」と答えており、48%が最もよく使うソーシャルプラットフォームとしてフェイスブックを挙げている。2014年のMMNPL調査では、i世代の81%が新しい消費者製品について調べる時にソーシャルメディアを情報源としていた。

 彼らはソーシャルネットワークを通してブランドとつながり、同じ製品を好む人と交流する。ソーシャルメディアによってリアルタイムで顧客とつながりを築くメリットを十分に活かせていないブランドは、この世代全体へのリーチの機会を逃しているのだ。

 ●ソーシャルメディア広告を重視しよう

 宣伝の手段が印刷物と放送CMしかなかった時代は、はるか昔のことだ。ソーシャルメディアでは、ソーシャルコマースを収益化するために多数の有料広告のプラットフォームが導入されている。ブランドは従来の広告メディアをやめるべきではないが、i世代にリーチするには新しいアプローチが必須だ。

 2014年のMMNPL調査では、X世代(60年代半ば~70年代半ば生まれ)の68%は新製品について初めて知るのはテレビCMを通してだった――ソーシャルメディアとともに育っていない世代としては当然だ。しかしこの割合は、i世代では44%まで下がる。SAの調査では、i世代の大学志願者はテレビCMを見ず、大学のCMを見ると「学生集めに必死なんだな」と感じるという。

 したがって企業は、i世代がどのプラットフォームで情報を得るかを理解し、新製品の発売前にそのチャネルで広告キャンペーンをテストしておく必要がある。