質のよい休みが、質のよい仕事につながる

 それは、誰かが率先して休みを取ることです。さらに言えば、率先する人の休みの取り方がスマートであれば、拡散力はアップします。

 スマートな休みの取り方とは、業務への影響が少ないことです。そのために必要なのは、

 ①計画的に仕事を進めて、不在期間の影響を最小限に抑える

 ②前倒しで仕事を進めておく

という2点に尽きるでしょう。そしてこの2つが出来る人は、実は仕事ができる人です。つまり休みを取る技術と仕事の技術は一緒です。

仕事の質は、効率性です。いかに集中して効率的にするかです。休む目的ではなくても、効率的に片づけることで、次の新しい仕事に挑戦する余白が生まれます。そのために必要なのが集中力です。おそらく集中して仕事を片付ける人は、休みも集中して(あるいは没頭して)、その時間を満喫していることでしょう。

このような仕事の出来る人が模範的な休みを率先して取ることで、「憚られる」文化を変えることができるのです。

さらに言えば、仕事の成果が芳しくなくても休むべきです。そして満喫するべきです。余計なことを考えながら仕事をしているといつまで経っても終わらないように、やり残した仕事のことを考えながらの夏休みは、せっかくの時間を満喫できません。

休みは休みに没頭する。それが仕事の集中力につながり、仕事の質を高めます。どれだけ周囲が忙しくても、休むなら罪悪感など捨てて、没頭すること。それが質のいい「休み」であり、休み明けの仕事の成果を最大化します。(編集長・岩佐文夫)