法則を活かせるかは、私たち次第

 私たちの生活のあらゆる場面で、データが収集できる環境が整った。集団の生産性を上げる方法、正しい意思決定を下す方法、メンバーをより効率的に動かす方法…本書ではこれらにまつわる数々の指針が実験結果から示された。今後も私たちの知らなかった「より集団を賢くする」法則が見つかっていくだろ。私たちはより良い組織をつくり、より良い社会をつくれるようになるかもしれない。

 本書を読むことで、これまでの常識を打ち破る、膨大なデータに裏付けられた新たな視座が得られる。しかし、その新しい視座を得ただけで、私たちはより良い組織を作れはしないし、賢くもなれない。それを組織に取り入れて、実行に移せるかどうかが、一番のハードルとなるはずだ。本当の意味で法則を活かし、集団として賢くなれるかは、私たち次第なのだろう。