さて、ウォーキング会議を試してみようという気になった方に、うまく実践するためのヒントをお伝えしよう。
●仕事と直接関連しない場所を行き先に入れる
職場がワシントンDCにあるイータン医師は、ウォーキング会議の行き先を近くのワシントン・コロシアムにすることが多く、そこでビートルズが米国初のコンサートを行ったことを告げるようにしている。有名な場所を挙げて誘えば、歩いていく動機を相手に提供しやすいと彼は言う。
●途中で不必要なカロリーを摂取しない
ウォーキング会議が奨励される理由の1つは、健康上のメリットである。しかし歩行中に、飲むつもりのなかった425カロリーのホワイトチョコレート・モカをつい飲んだりしたら、そのメリットはたちまち吹き飛んでしまう。
●突然の誘いで同僚やクライアントを驚かせない
「また今度」と返事されても差し支えないような場合は、タイミングを見てウォーキングに誘うことは何の問題もない。しかしウォーキング会議を事前に計画しているのなら、参加者に前もって知らせておくのが礼儀だ。そうすれば相手はラフな格好に着替えたり、靴をはき替えて来たりすることもできるかもしれない。また暖かい日なら、相手に勧めるために水のペットボトルを持っていくのもいいだろう。
●少人数に留める
オラクルのヘイムズは、ウォーキング会議の人数は最大3人までがよいと勧める。
●楽しむ
仕事をしながら軽いエクササイズにもなり、新鮮な空気にも触れる、という体験を楽しもう。だがこのアドバイスは、おそらく不要かもしれない。我々のデータでは、ウォーキング会議の実践者はそうでない人よりも仕事の満足度が高いことが示されている。
我々の調査結果、および歩くことが健康増進に役立つという明白な事例をふまえれば、ウォーキング会議を習慣にすべきでない正当な理由は見当たらない。少なくとも、試してみる価値はあるはずだ。
HBR.ORG原文:How to Do Walking Meetings Right August 05, 2015
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