「型」を持つことの大切さ

 言うまでもなく、ブランディングもデザイン思考も、ステップを理解しプロセスをなぞればうまくいくわけではありません。実践あるのみですし、その実践も決して簡単ではなく、思考錯誤の繰り返しです。インプット、コンセプト、アウトプットときれいに流れていくことはまずなく、行きつ戻りつの繰り返しになります。

 しかし、それでも、リボンフレームのような「型(かた)」を持つことは大切だと、私は考えます。そう思うようになったのには、一つのきっかけがあります。博報堂ブランドデザインと東京大学教養学部が共催する「大学生のためのブランドデザインコンテスト『BranCo!』」というイベントの運営に携わったことです。 

 BranCo!は、ブランディングの意義と魅力を世の中、特に若い世代の人たちに伝えるために始めたコンテストイベントで、今年で4回目を迎えます。過去3回のテーマは、「新しいお土産」、「旬」「嘘」のブランドデザインです。

 テーマが抽象的な上にブランディングの方法論は多種多様、ということで、学生の皆さんに作業をしてもらうための共通の土台として、リボンフレームについてレクチャーをしました。また、コンテストの審査も、インプット、コンセプト、アウトプットのそれぞれが優れているか、それらに一貫性があるかという、リボンフレームに則った評価基準で行いました。

 その結果、毎年、私たちの予想と期待を越えるような素晴らしいアイデアが、学生さん達によって生みだされています。特に、リボンフレームを十分に理解して使いこなし、ときに自分たちの創意工夫で「型」を越えたようなチームが、上位入賞を果たしています。そうした現場を目撃するにつれ、私は、ブランディングにおけるリボンフレームという「型」の有効性に対する確信を深めました。

 次回以降、BranCo!の入賞作品もご紹介しながら、リボンフレームについてさらに具体的にお伝えしたいと思います。

 

来る3月12日(土)、BranCo!2015の決勝プレゼンテーションイベントが開催されます。今年度のテーマは「新しい『学び』のブランドデザイン」。過去最多、全国から147チーム647名の学生さんがエントリー。その頂点がいよいよ決まります。決勝プレゼンは観覧が可能です。熱戦であるのはもちろんのこと、リボンフレームのエッセンスをご体感いただけるはずです。ご興味のある方はぜひ遊びにいらしてください!

【BranCo!2015 決勝プレゼンテーションイベント 概要】

●日時:3月12日(土)13:00~18:15(受付 12:00~)
●場所:東京大学駒場キャンパス(京王井の頭線「駒場東大前」駅すぐ)

・会場詳細
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_22_j.html

※当日は大学生チームによるプレゼンテーションの他、津田大介氏(ジャーナリスト)、竹内薫氏(サイエンスライター)など、ゲストによる講演もあります。
※入場無料です。
※事前申し込みのない方はご参加いただけません。
※ご応募多数の場合、抽選とさせていただきます。
※中学生以下の方の保護者なしでのご観覧は受け付けておりません。

・FBイベントページ
https://www.facebook.com/BranCo-295114817363757/
・応募フォーム
https://enq3.dstyleweb.com/orca/81688963